『キュレーターの殺人』 M・W・クレイヴン | 固ゆで卵で行こう!

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クリスマスの英国カンブリア州。

シークレットプレゼントの中に入っていたのは切断された指だった。

捜査に乗り出した国家犯罪対策庁のワシントン・ポー刑事とティリー・ブラッドショー分析官、そしてステファニー・フリン警部たちは、同じように切断された指が発見され、その現場には「#BSC6」という謎めいた文字列が残されている事件がある事を知る。

 

 

 

〈ワシントン・ポー〉シリーズ3作目。

 

今回もぐいぐいと読ませて最後はページを捲る手が止まりません。

 

手掛かりの出し方、謎の解け具合、ミスリードのさせ方、そして犯人と犯人の動機の衝撃といったら!

 

ポーたちが優秀な捜査官ゆえに導かれる犯人像。

しかしそれさえも真犯人による誤導であり、読者も一緒になって「これは本当に犯人に繋がるのか」と惑わされ、それゆえに新たな手掛かりが見つかり、次へ次へと展開していく様子に興奮する事に。

 

それにしてもポーとティリーのコンビぶりや友情が深まっている様子が微笑ましいですね。

ティリーが一作目に比べると変人振りがあまり描かれていないのが少し残念な気もしますが(笑)。

 

また、警察官としては優秀なものの、これまではその独断専行ゆえに扱いにくかったはずのポーも周りから信頼されている姿もあり、ストレスフリーで事件に取り掛かれるので、そういった意味でも展開がスピーディで読んでて飽きさせません。

もしかしたら、そこがある意味欠点といえば欠点かも知れません(笑)。

 

ラストについては犯人の所業を思うとアレはやむなしって感じかも知れませんが、本来はアウトな決断かと。

その決断は今後のポーに影響がありそうですが、果たして・・・。

 

そんな訳でポーやフリン警部が心配で次作が待ち遠しいですが、この前のミステリマガジンに短編が収録されていたのはこのシリーズのファンには嬉しいプレゼントでしたね。