もう初っ端から面白い!
自分の名前すら思い出せない状況・環境から始まるので、これ以上は内容についてはネタバレ無しでは語れない。
予備知識は可能な限り入れないようにして読んだ方がいいとの話は聞いていました。
で、表紙のイラストと『火星の人』、『アルテミス』の著者アンディ・ウィアーという事で宇宙ものである事だけ分かってはいましたが、他は一切内容について見ないようにして読みました。
やはりそれで正解!
最初から最後まで、どこを切り取っても楽しい読書体験を得れました。
困難に立ち向かい、それを乗り越えるも更なる困難が。
それをいかにクリアしていくか、科学的な事はよく分からなくても、いかに苦境を超えていくのかとその様子には興奮と共に楽しめ、そして感動。
最終盤の胸熱の展開とラストに涙、涙。
いやぁ、楽しかった!
あの設定はここでこう繋がるのか、とか。
タイトルの意味の衝撃とか。
ラストの切なくも温かい場面の描かれ方とか。
などなど、読者を惹きつける描き方も本当にうまく、すっかり著者の仕掛けに気持ち良くしてやられました。
この物語の中で起きている事や、その後も想像するのも楽しいですね。
それにしても・・・
主人公の人物造形は、ほぼほぼ『火星の人』と同じなのが、良いのか悪いのか(笑)。
もちろん嫌いじゃないし、あの語り口のお陰で絶望的な状況も読んでいてしんどくなく楽しいのでいいんですけどね(笑)。
ちなみに珍しくkindleでの購入本。
前の2作は最初から文庫だったので、勝手に今回も文庫で出ると思って発売されてから本屋で文庫本のコーナーで探すも無く、単行本での販売と知ってショック。
お財布事情でとりあえずスルーしていましたが、あまりにも面白いとの声を聞いて電子版で読みました。