テメレアの返還を求めてきた中国に、友好関係を結ぶためにローレンスはテメレアと共に中国へ向かう事に。
その行程の中でローレンスとテメレアが目にする世界とは?!
〈テメレア戦記〉シリーズ二作目。
とにかくてんこ盛りでしたねぇ。
もともとフランスへの贈りものであってテメレアの返還を求めてくる中国。
イングランドはフランスと戦争している中で、中国を敵に回す訳にはいかずテメレアを中国に返したいという事情が。
しかし、ローレンスとテメレアの間に出来た絆がそれを拒否する様子が痛快でした。
とはいえ、中国との友好関係を結ぶために中国に赴く必要に迫られるのですが、その中国までの航路の中で起こる様々な出来事はまさに海洋冒険小説の趣き。
航空ものとばかり思っていたので、二作目にして意表を突かれた感じです(笑)。
しかし、冒険ものとしても、そして作中で巡らされる策謀も見応えあります。
ローレンスとテメレアを巡っての陰謀。
ヨンシン皇子は勿論、味方の筈のハモンドも、そしてその他の登場人物も何を考えているか分からず疑心暗鬼に。
航路中には命を狙われたり海蛇との戦い、中国に着いてからも盗賊との戦いなどを経て犠牲者も多数。
その中で奴隷制度や竜に対する中国の考え方に接したローレンスとテメレアの考え方が変わっていく様子が何より興味深く、今後の展開がより気になる事に。
果たしてローレンスやテメレアが思う世界は・・・。
それにしてもラスト、ローレンスがそうなるとは意外過ぎでしたねぇ。
しっかり伏線も張ってあったけど全く気付きませんでした(笑)。
しかし思わず嘆息するような納得の結果ではないでしょうか。
あ、そうそう、竜の糞問題も気になりましたね(笑)。
さて、内容忘れてしまわないうちにシリーズ3作目も手に取らないと!