かつて二つの凶悪な連続殺人犯と対峙し、それぞれを著著にしベストセラーとなった新聞記者のジャック・マカヴォイ。
現在はその貯金を切り崩しながら生活しつつ、消費者問題を扱うニュース・サイトの記者になっていた。
そんなマカヴォイは一度だけ面識のある女性が殺され、自身に殺人容疑がかけらる中、被害者がデジタル・ストーキングされていたとの情報を得て、事件の調査を進めるのだが・・・。
前作『スケアクロウ』から11年ぶりとなる〈ジャック・マカヴォイ〉シリーズ三作目。
マカヴォイも自身の境遇と時代の流れから、消費者問題を手掛けるニュースサイトの記者となっています。
そんなマカヴォイが一度関係を持った女性が殺された事で容疑者として疑われ、事件を調べ始めると同じような手口で殺された女性達がいる事が判明。
そしてマカヴォイは元FBI捜査官でかつての恋人、マカヴォイにとって〈一発の銃弾〉の相手であるレイチェルに協力を求めるのだけれど、その様子は、事件そのものも、そしてマカヴォイとレイチェルの二人の関係も思いがけない展開を見せていく事で実に読ませます。
また、主人公のマカヴォイはあくまで記者である事ゆえに、捜査機関では出来ない手法や危うさでもって真実に近づいていく様子が実にハラハラさせてくれます。
これまでの二作はどちらかというと巻き込まれた事件の中で右往左往し、余計に事態を悪化させ、なんだかんだでマカヴォイの尻拭いをレイチェルに解決してもらっている印象で、マカヴォイに共感できずに実はあまり好きじゃないシリーズでした(笑)。
それに、レイチェルにしてみれば自身が犠牲を払ってまでマカヴォイに協力したのに記事を優先させた彼を許せないのは当然で、そういうところもやはり人間として好きになれない要素かと。
しかし今回は記者としての魂や矜持だけでなく、犠牲者の為に込み上げてくる熱さも感じ取れて、思わずマカヴォイの事を見直してしまう事に。
そして犯人との対決と、なによりその後のマカヴォイの決断に関しては予想外なもの。
それゆえに事件を通じて感じた事と重ね、あの決断になったのではないでしょうか。
マカヴォイとレイチェル、二人が新たな立場となっての今後の登場もですが、ボッシュやレネイ、ハラー達との共演も期待したいですね。
