1月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3829
ナイス数:509
看守の流儀 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
加賀刑務所を舞台にした連作短編集。刑務所という特殊な空間の中で起きる事件。そしてその事件を通じて描かれる刑務官と受刑者の人間模様はそれぞれ趣きがあります。実際の刑務所の中の刑務官や受刑者の関係性というのは分かりませんが、更生のための施設に勤める刑務官の矜持や、受刑者の胸の奥底にあるものは熱くさせるものが。また、刑務官と受刑者だけでなく刑務官同士の軋轢なども映し出しながら、それぞれの事件の思わぬ行方と共に、本編の主人公ともいえる謎めいた火石刑務官の本当の姿が浮かび上がる終盤は実に鮮やかなものでした。
読了日:01月31日 著者:城山 真一
木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))の感想
引退者用の高級施設クーパーズ・チェイス。趣味で未解決事件を調査する〈木曜殺人クラブ〉の面々が、施設の共同経営者殺人事件を調査。個性的な老人達のユーモア溢れるやり取りが楽し過ぎるミステリ。いくつも事件が重なり合って描かれていく事で読者を翻弄させるのですが、本格ミステリとして期待すると少し肩透かしかな。ただやはり魅力的なのは登場人物達。ユーモアと機知に富んでいるだけでなく、人生における苦しみや切なさ、そして喜びと楽しみなどが鮮やかに描かれており映像化されて欲しいと思える作品でした。二作目執筆中との事で楽しみ!
読了日:01月30日 著者:リチャード オスマン
テメレア戦記 1 気高き王家の翼 下の感想
なんといってもテメレアが可愛いw 読書好き(といっても読んでもらうだけど)で水浴び好きで、そしてローレンスへ向ける無垢な愛。そしてその愛に無条件で応えるローレンスがまたいい男ですね。まさにジェントルマンともいえる高潔な言動はちょっと出来すぎな人物かと思ったら、ちゃっかりやる事はやる辺りは人間臭くて良かったかもw 最初反発していった人物と握手する場面などは胸を熱くさせまし、戦闘シーンも想像しながら読むのも楽しかったです。この先どう史実の中に落とし込んで描かれるのか、テメレアとローレンスの運命を見届けたい!
読了日:01月25日 著者:ナオミ・ノヴィク
テメレア戦記 1 気高き王家の翼 上の感想
1805年、英国海軍艦長ローレンスは、拿捕した仏軍艦にドラゴンの卵を発見。その卵から孵化したドラゴンはローレンスをハンドラーと認めた事から、ローレンスは航空隊へと転属せざるを得なくなる。最初は海軍の軍人としての誇りから自身の運命を呪うものの、テメレアと名付けたドラゴンと過ごすうちに、自身の偏見を認め、航空隊のキャプテンの一人として成長していく姿が描かれていく、架空歴史ファンタジー。
読了日:01月24日 著者:ナオミ・ノヴィク
ボーイフレンド演じます (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)の感想
ロックスターの息子であるルークと法廷弁護士のオリヴァー。事情によりフェイクの恋人同士となる二人の会話がもう楽し過ぎ!そして特にルークの周りも愛すべき登場人物達ばかりで読んでいて思わず噴き出してしまう事もw 最初うじうじしていたルークがオリヴァーによって成長する姿。そして終盤はそれが逆の形で描かれ、正反対に見える二人は似た者同士で、二人がただのルークでただのオリヴァーである事を受け入れる様子が愛おしかったです。個人的には思ったより乙女なルークの「二階へ行ってベッドに入れ、だって?」に爆笑w 続編も楽しみ!
読了日:01月23日 著者:アレクシス・ホール
シリア・サンクション (ハヤカワ文庫NV)の感想
DIA(国防情報局)作戦本部要員のマット・ドレイクはシリアでの任務で失敗し、以来PTSDのように症状に悩まされていたふぁ、再びシリアへ赴く指令を半ば強制的に受ける事に。マットによる一人称の部分と、政治的駆け引きが描かれる三人称の部分と交互に描かれるのは、アクションもそうだけどどちらかというとスパイスリラー的な物語。圧倒的なヒーローでは無く一人の人間として描かれるのが魅力的と思うか逆に思うかで好みも分かれそう。マットの目の前で亡くなった少年が印象的で、そこに著者の良心や希望が込められていそう。続きも楽しみ!
読了日:01月14日 著者:ドン ベントレー
世界の美しさを思い知れの感想
自殺した俳優で双子の弟尚斗のスマホに届いたメールに誘われるように旅に出る貴斗が世界を巡る中で目にするものとは。その旅は、尚斗はなぜ自死を選んだのかといった理由を知るためなのか、それとも尚斗の死を受け入れるためなのか。確かな事は分からないけど、尚斗は芝居の中で発した言葉のように世界の美しさと、美しいだけじゃない現実に思い遣れた事が、貴斗にとってこの世界は生きる理由になったのかも。また、ラストで描かれたものをどう受け止めるかも読み手それぞれがも。けれどそこに込められた「願い」は爽やかなものさえ感じました。
読了日:01月10日 著者:額賀 澪
吸血鬼ハンター (39) D-鬼哭旅 (朝日文庫)の感想
D、探偵になる。今回は短編集で、それぞれミステリ風味。もちろん、あくまでDの世界観の中でなので、美しき若者が剣を振るうのは変わりません。個人的にはDと左手さんの探偵振りは楽しめました。左手さんの出番も多かったですしね(笑)。また、短編という事でグダグダ感もなくスッキリ終わるのもいいですね。最後のお話以外は「実験」がらみ。しかしあの人の実験の真意はいつか分かる日がくるのでしょうか。。。
読了日:01月05日 著者:菊地 秀行
父を撃った12の銃弾の感想
12歳の少女ルーの成長と共に、父のホーリーの身体にある12の銃弾の顛末が描かれるノワール的な物語、そしてルーとホーリーと亡くなったルーの母親リリーについて描かれる家族の物語。過去について、母親リリーの死の真相について語ろうとしない父からルーが学んだのは銃の扱いだけでは無かった事が、父のその姿と自身の内にあるものが重なっていく様子が、脳内で浮かぶような美しく雄大でどこか幻想的な大自然の情景と共に描かれます。そしてルーだけでは無く実はホーリーの成長を描いた愛の物語でもあり、胸をいっぱいにさせてくれました。
読了日:01月03日 著者:ハンナ・ティンティ
読書メーター
1月は8作品で9冊。
昨年購入だけして積読のままだった作品をメインに読んだ月となりました。
しかし2022年も1/12が終わってしまいました。
あっという間に過ぎた気もしますが、春はまだ先です。
早く春になって欲しいですし、現在の状況が好転して欲しいもんです。
さて、2月も積読本をメインにした読書ライフを過ごす予定。
新刊も欲しいし読みたいんですが、冬の間は自重する事にしてます(;・∀・)
ところで今年も「翻訳ミステリー読者賞」の季節がやってきました!
お気に入りの作品の中から何を投票しようかと悩むのも楽しいですよね。
投票受付期間は「2022年3月25日(金)0時~3月31日(木)24時」とのこと。
あんまり翻訳ミステリーは読まないという方もOK。
SFやファンタジーでも貴方がミステリーだと思うものならOK。
あなたのお気に入りの一作、是非ぜひ投票しましょう![]()
