『暗殺者の献身』 マーク・グリーニー | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

 

 

 

〈暗殺者グレイマン〉シリーズ10作目。

 

冒頭からある人物の危機が描かれ思わずのめり込みます。

 

そこへ前作『暗殺者の悔恨』で負った傷により、未だベッドの上で回復途中のジェントリーに対して無慈悲にも任務を与えるハンリーの姿には「鬼か」とツッコミたくなりますね(笑)。

 

重い感染症を抱え満身創痍の‟半人前のグレイマン”は任地となるベネズエラへ。

 

物語はUAE情報部や民間警備会社、ゾーヤを狙うロシアの暗殺者チームなどの思惑が複雑に絡んで加速していきます。

 

そんな中、バックアップなしで潜入しているゾーヤを救う為にベルリンに赴いたジェントリーの嫉妬が炸裂(?)する様子が何より印象的ですね。

 

前半ではそんな嫉妬するグレイマンが描かれましたが、その愛は地上25mの高さの外壁をも乗り越えます!

 

愛するゾーヤとの再会を果たしても二人の抱える想いは複雑で素直に愛し合えないジレンマな描写もまた溜まりません(笑)。

 

それにしても〈ポイズン・アップル〉の資産が共闘する姿は、ロマンチックが加わる事でどんな危機的状況でも思わず笑ってしまう場面も多いですね。

 

複雑でシリアスな構成の中で、それはまるで一服の清涼剤のようです(笑)。

 

さて、満身創痍という足かせをジェントリーに課す事により緊迫感をより高めた本作ですが、最終盤の展開に「そうきたか!」と思わず声を上げてしまう展開が待っています。

 

いやはや〈グレイマン〉シリーズは更なる高みを目指す事になるようで、これほど長いシリーズにんりながらも、より今後が楽しみにさせる著者の仕掛けは上手いというか、心憎いぐらいですね。

 

てな訳で次作が待ち遠しい!