『恋が始まるウィークエンド』 ジュリー・ジェームズ | 固ゆで卵で行こう!

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ハッキングの罪で服役中の弟を助ける為にFBIの潜入捜査に協力する事になるジョーダン。
捜査官のニックと恋人同士の振りをするのは一日だけの筈が不測の事態が発生し、恋人同士の振りを続けるうちに・・・。

 

 

 

『あなとめぐり逢う予感』に続く〈FBIと弁護士〉シリーズ第二弾。

 

ヒロインのジョーダン・ローズは、父親が大富豪である事からそういった視点から見られがちですが、シカゴで経営するワイン店は成功しており、自立した女性としての自負や自尊心を持っています。

 

そんなジョーダンにはカールという双子の弟がいるのですが、ある理由からツイッターをハッキング、逮捕され服役中となっています。

しかし、富豪の息子という立場からか必要以上の刑期を言い渡されており、ジョーダンは憤慨しつつカールの事を心配し心を痛めていたところ、FBIからある潜入捜査として、セレブのワインパーティーへFBI捜査官を同伴者として連れて行く事に協力すれば、弟を釈放すると持ち掛けられます。

 

カールのためにFBIからの依頼を引き受けるジョーダンですが、当日のデート相手として連れて行く事になるのは、ジョーダンのことを金持ちの我がまま娘として偏見の目で見る、いけすかない印象を抱いたニック捜査官。

 

恋人同士のふりをふるのは一晩だけの筈が、パーティーの主催者でFBIの捜査対象者であるセレブが、実はジョーダンの事を気に入っていたことから、ニックについて調査を始めると知り、しばらく恋人同士の偽装を続けなければならなくなります。

 

その過程で、互いに第一印象が悪かったとはいえ、ニックのワイルドさをセクシーだと思ってしまうジョーダンや、ジョーダンの美しさに目が奪われてしまうニックの姿があり、互いに好意を抱くようになるまでそれぞれがその気持ちを隠す様子などは、ニックがFBI捜査官である事を周りにバレないようにする苦労などもあって、読みながらニヤニヤしたりして(笑)。

 

また、ジョーダンとニックが距離を縮めていく様子と共に、ジョーダンと友人たちとのやり取りや、弟のカールとのやり取りもユーモアを交えながら描かれているのが、この辺りもワチャワチャ感が楽しく、それらを全て含め、思わず声に出して笑ってしまうような場面も。

 

サスペンス要素に関しては前作以上に薄味ですが、その分、糖分は増えているかも。

ホットシーンは控えめかと思うのですが、二人が主導権をどうのこうの考える場面も、二人の性格を表していて、ある意味キュートで可笑しかったですね(笑)。

 

そして何より、結ばれたと思えた二人が直面する現実を前に、それぞれが抱えるプライドがぶつかりながらも自身の素直な想いを口にする場面は感動的!

 

もっとも、ニックの上司であるデイヴィスにとっては受難ともいうべき結果が待っているのも笑ってしまいました(笑)。

本作は単独でも楽しめますが、こういった点も含め、ニックと前作『あなたとめぐり逢う予感』のヒーローであるジャックとの友情が描かれたり、ニックと前作のヒロインであるキャメロンが周りからどう見られているかなども描かれていたりするので、前作と合わせて是非楽しんで欲しいですね。

 

 

 

 

なお、『恋が始まるウィークエンド』は本日12/20発売です!

 

 

二見書房様からは一足早いクリスマスプレゼントとしてご恵贈いいただきましたこと、あらためて御礼申し上げます照れ