イギリスの小さな町に住むピップは、5年前に起きた少女失踪事件を自由研究の題材として取り組む。
事件は、交際相手の少年サルが遺体で発見されたことで警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表したが、サルと親交があったピップは彼の無実を証明するために調査し始めるのだが・・・。
17歳の女子高生ピップは、夏休みの自由研究として5年前に町で起きた女子高生失踪事件を調べる事に。
少女を殺して自殺したとされているサルが犯人だとは疑っていないピップは、サルの弟であるラヴィの協力を得ながら事件の関係者たちにインタビューを申し込み、少しずつ新たな事実を掴んでいきます。
しかし、小さな町で起きた事件は、ピップにとっても身近な人達を次々と容疑者として浮かび上がらせることに。
その様子は、表面的にしか見えていなかったものの裏側が見えてくる緊張感と共に鮮やかに描かれています。
中でも、親しい間柄だったり信頼していた人たちの知らなかった側面が見えてくる様や、じわりと真犯人に近づきつつあるピップにも危険が迫ってくる展開にはスリル感をたっぷり味わえます。
勇敢だけれどもどこか強引なところもあって無鉄砲にも思えるピップ。
そんなピップを心配しつつも、ピップの前向きな姿と語り口は、まさに事件の裏にある闇に反し、事件を通じて描かれるラヴィとの相棒ぶり、友人達や家族間の絆などの心の機微も爽やかで、ラストも胸が熱くなるものがありました。
また、様々なガジェットを使ったデジタルネイティブな調査方法なども印象的でしたし、ピップの複雑な家族構成なども絡めてさりげなく多様性について考えさせる描写もあり、青春小説しても多くの人にお勧めしたくなるミステリですね。
本国では続編も出ているようで、今からその続編が紹介されるのが楽しみです。