10月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2649
ナイス数:248
凜として弓を引く (講談社文庫)の感想
高校入学直前、偶然から弓道に出会った矢口楓が、弓道を通して成長していく姿を描いた青春小説。内気で周りに合わせてしまいがちな楓だけれど、部活では無く弓道教室に通う事で、弓道の「武道」としての芯となるものに触れていきます。弓道初心者の楓を通じて、弓道を殆ど知らない自分のような読者にも分かりやすく説明されるので安心して読めます。そして楓が少しずつではあるけれど変わっていく姿が描かれる様子も自然に描かれているのでは無いでしょうか。新シリーズとあるので、今後はどう描かれていくのか楽しみにしたいです。
読了日:10月31日 著者:碧野 圭
囁き男 (小学館文庫 ノ 1-1)の感想
愛する妻を失い、息子ジェイクとの関係に悩む作家のトムは、環境を変える為に小さな町に越す。しかしその町では20年前に子供の連続誘拐殺人事件が起き、最後の子供はいまだ見つかっておらず、そして再び少年が失踪するという事件が。「囁き男」と呼ばれた20年前の事件の犯人は服役中でああり、同じような事件の発生に模倣犯なのか共犯者がいたのか。超自然的な要素が盛り込まれているため前半は乗り切れない部分はあったものの、親子の関係が幾重にも重なるように描かれていく終盤、特にラストは胸にぐっとくるものがありました。
読了日:10月27日 著者:アレックス・ ノース
中野のお父さんは謎を解くかの感想
シリーズ2作目。文芸編集者の美希が、仕事中に出会った謎を実家の父に持ち込むと、定年が近い国語教師の父はするりと解決する安楽椅子探偵もので、日常の謎を描いたミステリ短編集。しかしながら日常の謎とは言っても、そこに描かれているのは近代・現代文学における豊富な知識から導かれたものなので、テーマになっている作品や作家を知っているとより楽しめるのでは。もちろん知らなくても、美希の父が解決に導く過程の思考は楽しめます。また、もうすぐシリーズの新作が出るので、美希のロマンス(?)の行方も含めて楽しみにしたいです。
読了日:10月21日 著者:北村 薫
中野のお父さん (文春文庫)の感想
文芸編集者の美希が仕事で出会った不思議な出来事。それを中野に住む国語教師の父に話すとその謎を解いてくれるという、著者らしい優しさ溢れる日常の謎を描いた短編集。スカッと謎を解いてくれたように見えるものもあれば、解釈の違いで見えてくるものなど、ほんわかしつつも、どこか人間のもつ負の側面をも見せてくれます。そしてやはり父と娘のやり取りなどが微笑ましいですね。
読了日:10月18日 著者:北村 薫
ハートに火をつけないで (創元推理文庫)の感想
〈ワニ町〉シリーズ4作目。いやもう楽し過ぎ!読んでいてこんなに笑えるシリーズは近年では随一。いつものように保安官助手のカーターからの制止を無視し、アイダ・ベルとガーディと共にフォーチュンが友人宅に放火した犯人を追うのですが、いよいよカーターへの想いに気付き始めたフォーチュンの複雑な胸の内を更に複雑にさせる出来事の連続に笑わずに読める訳がありません(笑)。今後はフォーチュンとカーターのロマンス部分も加速しそうですが、正体を隠した状態でのドタバタ活劇と共に更に今後が楽しみ。年に2作ずつ翻訳されて欲しい!
読了日:10月16日 著者:ジャナ・デリオン
なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想
なんといってもタイトルが秀逸。最後までその謎が分からず、それが思いがけないところで判明するところも面白いですし、何より探偵役二人の掛け合いや冒険行が楽しい。
読了日:10月06日 著者:アガサ クリスティー
パワー・オブ・ザ・ドッグ (角川文庫)の感想
1920年代のモンタナ州、牧場を経営するフィルとジョージの兄弟を軸に描かれる物語。皆から慕われ頼られる存在の兄フィルに対し、どこか愚鈍な様子さえ伺える弟のジョージが、ローズという未亡人と巡りあった事で兄弟の仲にヒビが入っていくのですが、フィルはジョージを奪ったローズとその息子ピーターに対して執拗に冷徹な仕打ちを。その本心は牧場の男としての強さの裏に隠してきたものの現れとして発露されているのですが、それは緊張感、緊迫感を高めつつ、やがて思いも寄らぬ形でフィルに返っていく展開に思わず体が震えるものが…!
読了日:10月02日 著者:トーマス・サヴェージ
読書メーター
10月は7作。
結婚記念日のお祝い暴飲暴食キャンペーンをはじめ、晴れれば山に行ったりと遊び歩いたせいで思いのほか読めなかったかな。
その中ではmなんといっても〈ワニ町〉シリーズの4作目が無事に刊行されたのが嬉しいですね。
この先も翻訳される事を切に願う、楽しいシリーズです!
さて、今年もあと二ヵ月。
年末の各種ランキングに入りそうな作品をいくつも積読にしているので、その辺りを読んでいきたいと思っていたんですが、昨日の樋口有介さんご逝去のニュースがショック過ぎて泣きそうです。。。