〈くらまし屋稼業〉シリーズ7作目。
今回は赤也の過去が明らかに。
これまでにも赤也が〈くらまし屋〉になった経緯というのは簡単に語られていましたが、赤也がなぜ死んだ事にしてまで行方をくらます必要があったのか詳しく語られます。
そして、赤也は自身の過去と向き合い、訣別するために再び舞台に立つ姿が描かるのですが、その艶やかな舞は誰もを魅了しつつも、赤也を狙う敵を欺く様が鮮やかでした。
そして、今回の依頼を通じて〈くらまし屋〉の三人、平九郎、七瀬、赤也の絆がより強くなるようにと共に、茂吉や春との絆の強さも一緒に描かれているのが印象的でした。
さて、〈くらまし屋〉としては小休止的なお話ですが、道中奉行の篠崎瀬兵衛が〈くらまし屋〉の正体に迫り、〈虚〉の九鬼段蔵という化物のような敵と平九郎との戦いなどの見どころもあり、
また、あの阿久田が涙するといった意外な場面も。
なんとも憎たらしいキャラクターだったのが、これで一気に彼の事を好きになってしまう読者も多いかも(笑)。
さて、次からは強敵に備え、平九郎はより強くなるための姿が描かれるのかな。
次作も楽しみです!