『花嫁殺し』 カルメン・モラ | 固ゆで卵で行こう!

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マドリードの公園で遺体として見つかった若い女性は、頭蓋にあけた穴に蛆を埋められ内部から殺されていた。
難事件のみ扱うスペイン警察の精鋭チーム〈特殊分析班〉を率いる警部エレナは、被害者の姉も7年前に同じ手口で殺されていたと知るが、犯人は捕まり服役中だった・・・。


 

 

特殊分析班(BAC)を率いるエレナ・ブロコン警部は、結婚間近の女性が殺された事件を捜査する事になるのですが、蛆を頭蓋に埋められ内部から殺されるという、その猟奇的な手口は7年前に起きた事件と同じなものであると知るも、その犯人は服役中。

 

果たして模倣犯なのか、それとも新たな事実が待ち受けているのか。

 

個性的ながら優秀な捜査班のメンバーを率いるエレナ自身も、カラオケスナックで見事な歌声を披露したり、見どころがありそうな若い警察官を捜査に引っ張るだけでなくベッドにまで引き込む自由さを見せるなど、また個性的です。

 

しかし内に何かを抱えている様子もあって、エレナの行動も先が読めません。

 

捜査自体も被害者の姉が同様の手口で殺された7何前の事件と絡んで難航するのですが、強いだけでなく捜査に関しては完璧であろう、正しくあろうとするエレナの信念が事件の真相に迫る事に。

 

しかしながら、エレナが抱えていたもの、そして捜査は完璧で正しいものでなければならないする姿の裏にある真実が明らかにされた時の衝撃は、事件が二転三転して事実が判明した時の比ではありません。

 

なんとも陰惨な描写が続くので、この手のものは苦手な人も多いかと思いますが、リーダビリティも高く一気読みのサスペンスです。

 

残り二作の紹介でエレナと共に闇の中を見せて欲しい!