腕利きのプロの誘拐屋・田村健一は、組織から押し付けられた新人誘拐屋の根本翼とコンビを組む事になる。
しかし根本は生来のお節介で、自らが誘拐した人物の人生相談に乗ってしまう。
プロたしくスマートに仕事を済ませたい田村だが、根本のお節介の結果余計な仕事を背負い込み・・・。
プロの〈誘拐屋〉である田村は、業界ではその名を知らぬ者はいない腕利き。
ところが誰とも組まず一匹狼で通ってきた田村は、組織から根本という見習いを押し付けられコンビを組む事になります。
しかしこの根本という新人、人情家で涙もろく誘拐対象に同情して余計なお節介を。
田村も否応なしにその尻拭いをする事になるのですが、これは田村でなくとも根本に対して「向いてねーよ」とイライラさせられること間違いないですね(笑)。
けれども誘拐される側のそれぞれに事情が浮かび上がり、結果的にほっこりする事案が続く中で、根本と過ごした田村にも少しずつ変化が現れるよう。
さて、横関さんの作品という事で、読み始めた時から何か仕掛けがあるはずと身構えていたんですが、思いつつもピンとこないまま最終話まで読み進めました。
そしてその最終話で伏線が回収されて全てが繋がる様子は爽快でした。
更には不覚にもあの情けなかった根本の本当の姿に思わず涙。
予想と違った展開で見事に著者の仕掛けにハマり楽しめましたが、本作って連続ドラマ向きですね。
連続ドラマになった際のキャストは誰がいいかな、なんて想像するのも楽しいです、