『地下道の少女』 アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム | 固ゆで卵で行こう!

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バスに乗せられた外国人の子ども43人が、真冬のストックホルム警察本部の近くで置き去りにされる。
また、病院の地下通路では、顔の肉を何カ所も抉られた女性の死体が発見され、グレーンス警部は二つの事件を追い始めるのだが・・・。



〈グレーンス警部〉シリーズ4作目。

真冬のストックホルムで捨てられた子供達。
存在しない事になっている多くの人達。
女の子だからと性別によって見捨てられてしまう現実。

グレーンス警部がアンニの容態悪化に気に病み精神的に自分自身を追い込んでしまう結果、周りの人も、救うべきアンダーワールドの住人達も追い込んでいってしまう様子が実に痛々しく読み進めるのも苦しくなるほど。

本作も福祉国家と呼ばれるスウェーデンの闇となるものを、直視せずに蓋をしてしまう社会のシステムそのものが現実問題として描かれています。

そしてそれだけに描かれる結末は、決して解決も、そして救いさえも無いものに。

読了後は虚無感や虚脱感めいたものさえ抱くかも知れませんが、それが分かっていてもこのシリーズは読み出すと止められなくなりますね。