『汚名』 マイクル・コナリー | 固ゆで卵で行こう!

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〈ハリー・ボッシュ〉シリーズ最新作。

 

サンフェルナンド市警で嘱託刑事として勤務するハリー・ボッシュ。

 

前作では多少なりとも居心地は良く無さそうでしたが、ボッシュがその能力を発揮し、今では署内での彼の立場も良いものになっているよう。

 

しかし過去の事件がボッシュを窮地に陥らせようとしていると、かつてのパートナー、ルシア・ソトから報せが。

 

それは、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、服役中の死刑囚連続殺人犯ボーダーズに関し、新たな証拠が出た事で冤罪の可能性と、ボッシュがボーダーズを犯人に仕立てるために偽の証拠を仕込んだのではという疑いが持たれているというもの。

 

一方、薬局経営の親子が銃殺された事件は、ボッシュを思わぬ場所へと誘い、二つの事件がボッシュを追い込む事になり緊張感が相乗効果のように高まります。

 

しかし後半に入ると、麻薬捜査に関しては思ったよりあっさり解決してちょっと拍子抜け。

 

ヒリヒリするような潜入捜査が待っていたので、もっとドキドキさせられるかと思っていました。

 

とはいえボッシュにとっては命の危険があった訳で、決してあっさり解決した訳ではないのですが(笑)。

 

一方、濡れ衣を着せられそうになった過去の事件はリンカーン弁護士ミッキー・ハラーの活躍もあり解決されていく訳ですが、その描かれ方はスリリングで法廷ものとしての楽しみを十二分に得る事が出来ました。

 

ハラーが勝つために取ったそのやり方について、ボッシュが理解はしても決して納得はしない様子も面白かったです。

 

それに、昔のパートナー、ジェリー・エドガーが登場し、懐かしさと共に二人の関係性がこれだけ時間が経ってから描かれるのが興味深かったですね。
 

また麻薬中毒者に対する行動、そして冒頭でさらりと描かれていた失踪事件についてボッシュが取った行動というものは、ボッシュの人となりをあらためて表すもので、その姿に胸を打たれ熱くなるものがありました。