スウェーデン北部の村、グリマストレスクで17歳の少女・リナが失踪。
リナの最後の姿を見たのは、その朝、シルヴァーロード沿いのバス停までリナを送っていった地元の学校の教師をする少女の父親レレは、以来、娘の捜索を独り続けていた。
3年前に消えた娘を捜し続けるレレの悲痛な想いが、北欧のどこか底が知れないように感じる自然と共に胸に迫ります。
いえ、迫り過ぎてレレと同じように痛かったです。
娘を失った朝、何故バスが来るまで娘と一緒にいなかったのかと悔いるレレは、妻を失い、自身も見失いながらもシルヴァーロードを何度も何度も往復しながら娘を捜し続けています。
捜索を打ち切っただけでなく自身へも疑いの目を向けてきた警察への不信感だけでなく、誰も信じず孤独に生きるレレの姿は見ていられなほど。
物語が進むうちに、娘のリナが決して品行方正とは言い切れなかった姿も見えてくる事からも最悪の結末しか予想し得ず、読んでいて暗鬱とした気分にも。
一方、母親に従いグリマストレスクにやってきた少女メイヤがもう一人の主人公。
生活のために男から男へと渡り歩く母親に従い生きてきたメイヤは、病を抱える母親と共依存といった関係で縛られていたものの、この地で出会う、ある家族と得る生活にこれまで持つ事が出来なかった平穏を求めるようになります。
しかしその姿にも、娘を捜すレレとはまた別の痛み似たものを覚えます。
レレとメイヤ、どちらも狂気をはらんだように描かれる北の寂しい大地の中、二人が求める先には決して明るい結末を期待は出来ないと思いつつも、森の深い闇に飲み込まれるように没頭させられました。
果たしてレレが捜し求めた娘は。
そしてメイヤが求めていた愛の行方は。
スウェーデンの深い森の中でも消えない光は、レレが娘を捜す時に吸っていた煙草の火ように小さいけれど、それは確かにそこにあると信じれれば生きていく力に。
そう感じ取れるラストは哀切感もありながら、寂しいだけでなく温かいものも感じ取れるものでした。