ニューヨークの街で起こる連続殺人事件。
〈猫〉と呼ばれる殺人魔の正体は、既に5人もの犠牲者が出たにも関わらず目撃者も無く、手掛かりは被害者の首に巻き付けたタッサーシルクの紐のみで、捜査は行き詰っている中、作家で探偵のエラリイは事件の捜査を引き受けるのだが・・・。
マンハッタンで起こる〈猫〉による連続殺人。
事件そのものは、
「おい、エラリイ、殆ど推理してないぞ」
なんて思いつつ読んでいたのですが、ちゃんと最後は謎解きの見せ場が待っています。
自分も犯人に予想した人が捕まった後に、
「もしかして・・・」
と思ったんですが、うん、その通りでした。
それにしても街の人々が〈猫〉に怯えパニックになる様子などは、このコロナ禍で読むとどこか現実の世界とリンクしているように感じ、より怖さを受け止めながら、人々の心の内側、エラリイの苦悩や懊悩が物語に大きく影を落としている様子に惹きつけられ夢中になりました。
また、きっと本書は後の作家達に大きな影響を与えている作品なんでしょうね。
最後は探偵としての自分の存在意義に疑問を感じるエラリイの姿が見れるのですが、そこからどのように自身の事を受け止めるかという点も興味深く、この事件以降のエラリイの姿を見届けたくもなりました。
ちなみに本書は〈ライツヴィル〉からニューヨークに戻ってきた後のエラリイの姿を描いているのですが、『十日間の不思議』の事件の結末の影響を受けているという事で、エラリイの様子もこれまで描かれてきた彼の姿と違っています。
なので、順番は前後しちゃいましたが『十日間の不思議』も読まなきゃ!(新訳版も出るそうです!)