1978年アイスランド西部フィヨルドの別荘にて女性の死体が地元の警察によって発見され、レイキャヴィーク警察のリーズルは強引にも被害者の父親を逮捕し事件を解決させる。
10年後、殺された女性の友人だった4人が故人を偲び絶壁の無人島・エトリザエイに集うるのだが、仲間の1人が崖から転落死しているのが見つかる。
捜査に向かったレイキャヴィーク警察の女性刑事フルダは、やがて過去の事件との繋がりに気付く。
〈フルダ〉シリーズ2作目。
1作目から25年遡ったところから始まるのですが、そこから10年後が描かれるのは、フルダの警官人生で特に記憶に残っている事件の一つ。
1作目でもフルダは女性というだけで、警察官として有能でありながら“ガラスの壁”に阻まれて昇進できませんでした。
過去が描かれるこの2作目でも昇進のチャンスがあったにも関わらず女性への偏見がより強く、当然の如く受ける理不尽な仕打ちへの怒りを抱えています。
そんなフルダの怒りと抱えている闇に寄り添いながら読者は事件の行方を追う事になるのですが、それに加えてフルダの出生の秘密についても追う事に。
事件とフルダの人生、その二つを軸に描かれる彼女の不幸とも言える人生に対して、フルダと共に怒ったり、落ち込んだり、悩んだり、悲しんだりと、様々な感情で揺さぶられます。
それにしてもラスト3行。
前作を読んでいる読者にとって、それが示唆している恐怖感は、虚無感というか、なんとも言いようのもので満たされてしまうもので、やはりその結末の後味は良いものでは無かったのですが、フルダだけでなく事件の関係者それぞれの心情や抱える闇に思わず寄り添ってしまう事で引きつけられ、前作よりもボリュームあっても一気に読ませてくれます。
それにしても果たして完結編となる次作でフルダの何が描かれるのでしょうか。
本作と前作では、どうしても暗鬱とした雰囲気に覆われていましたが、フルダが輝いていた姿を見てみたいものです。