フィラデルフィア、ケンジントンのパトロール警官のミッキーは線路脇でドラッグ中毒者の遺体が発見されたとの報せを聞き、妹のケイシーではないのかと恐れながら現場へ赴く。
幸いケイシーでは無かったものの、遺体には絞殺痕があり、さらに似たような事件が続く。
今では何年もろくに会話も無く、接点といえば売春や薬物に関係して自らの手で妹の手に手錠を掛けるぐらいの関係だが、ケイシーを心配するミッキーはパトロールを続けながら捜し続けていた。
薬物中毒の妹ケイシーに何度裏切られても見捨てられない警官のミッキー。
両親を幼い頃に失い、厳格な祖母の元で育てられたミッキーとケイシーは、かつては共に支え合う関係で互い相手を必要としていたはず。
しかし、麻薬に溺れ、その結果売春行為を行うようになったケイシーといつしか疎遠になったミッキーも、自身はシングルマザーであるパトロール警官として、ケイシーの事、そして息子の事を心配しがら懸命に生きています。
そんなミッキーですが、自身で周りを見る才能を持っていると自負しているものの、生活に追われながらケイシーを捜す毎日の中で様々なプレッシャーに押しつぶされそうになっているのか、どこか危うさを感じさせます。
実際、ミッキーの行動は何をしても裏目裏目に出るようで、彼女自身のプライドもあって痛々しささえ感じるかも。
その上で行方知らずとなった妹を捜す中で、貧困、麻薬、売春、暴力、そしてシングルマザーなど重くのしかかる現実がミッキーを通して映し出されていくのですが、それは暗鬱としていて、その感触は最後までぬぐい切れず、現実は決して安易なものとしては描かれません。
けれども壊れていた人間関係の再生と独りよがりだったミッキーの成長と共に、失われたと思っていた人と人の絆など、仄かに希望と救いが得られるラストは、ミッキーに強く、そして幸せになって欲しいと願わずにいられず、なんとも言えない余韻を残してくれるものでした。