『IQ2』 ジョー・イデ | 固ゆで卵で行こう!

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IQ2 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

亡き兄の恋人だったサリタから、高利貸しに追われているDJをしている妹ジャニーンを助けて欲しいと依頼されたアイゼイアは、ドッドソンを相棒にラスベガスへと赴くが、ジャニーンは高利貸しに追われるだけでなくギャングにも追われるなど、予想以上の苦境に陥っていた。

 

 

通称「IQ」と呼ばれる探偵アイゼイア。

 

死んだ兄マーカスの恋人サリタからの依頼を受け彼女の妹を救う為に奮闘するのだけれど、メキシコ系ギャングにアジア系のギャング、更に高利貸しなどの犯罪者達などが入り乱れた大騒動となっていきます。

 

また、相棒となるドッドソンは前作以上にいい味を出して本作のバタバタ感を盛り上げているのも楽しかったですね。

アイゼイアが頭の回転が早い事は分かっているけど、自分も負けていないと頭をフル回転させようとする場面などは特にコミカルでした。

 

そしてそのアイゼイアは、兄が生きている頃からサリタの事を想って人知れず懊悩していましたが、今回の事でサリタの目を自分に向ける事が出来ると意気込むのですが、逆にそれがアイゼイアの能力を鈍らせる結果になり、より事態が悪い方向に転がっていく事に。

 

その中で思いつく起死回生の手立てと、それに利用される者の悲哀の対比が印象深かったです。

 

さて、そんな中でもアイゼイアは兄マーカスの死の真相を追い求めます。

果たして兄が殺された真相というのはほろ苦いものとしてアイゼイアの目の前に明かされることに。

 

兄の死の真相は思いの外早く判明しましたが、次作以降が楽しみになる仕掛けが終盤にあり、今後がより楽しみなシリーズになりました。