12月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3426
ナイス数:349
IQ2 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
IQと呼ばれる探偵アイゼイア。死んだ兄マーカスの恋人サリタからの依頼を受け彼女の妹を救う為に奮闘するのだけれど、メキシコ系ギャングにアジア系のギャング、更に高利貸しなどの犯罪者達などが入り乱れた騒動は、サリタへ抱いている想いもあってかスマートさに欠けるIQの姿は等身大の若者のように映ります。相棒となるドッドソンは前作以上にいい味を出して本作のバタバタ感を盛り上げているのも楽しかったです。マーカスの死の真相は思いの外早く判明したけど、次作以降が楽しみになる仕掛けが終盤にあり、今後がより楽しみなシリーズに!
読了日:12月31日 著者:ジョー イデ
このミステリーがすごい! 2020年版の感想
毎年買っているので買わずいられません(笑)。例年通り国内編は全滅。海外編はベスト10以内は6作品。11位~20位で4作品。21位以下では7作品と計17作品読んでました。そして積読本の中にも6作品控えており、今年はなかなか読んでた方かな。読み逃した作品、まずは積読の中から読んでいこうっと。
読了日:12月30日 著者:
それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)の感想
月舟町3部作の二作目。全体的にふわっと包み込んでくれる優しい雰囲気と美味しいサンドイッチと愛に満ちたスープで満たされます。特に大きな事件は起きないけれど、淡々と流れていく時に身を任せているうちに、いつしかこの世界にどっぷりはまっています。緑の帽子の彼女の正体は読者はすぐに気付くだろうけど、彼女のために作るスープと腕時計の時刻を合わせる場面で胸に溢れる言葉にならない感情は涙となりました。
読了日:12月26日 著者:吉田 篤弘
闇という名の娘: The HULDA TRILOGY #1:DIMMA (小学館文庫)の感想
読み終える時の胸にこみ上げてくるものをどう言えばいいのでしょうか。定年間近の女性刑事フルダが上司から退職を迫られる中で捜査する未解決事件を通じて描かれるのは、フルダが抱えて生きてきた罪と贖罪の意識なのでしょうか。北欧の鬱屈した風景に時折浮かび上がるような美しい情景に対比して浮かび上がる”闇”。事件は思いがけない展開が待っていて読者を北欧の地に放り出していくかのよう。三部作第一部との事ですが、二、三部は過去に遡りフルダの警官人生を追体験できるようです。正直に過去に戻る話は趣味ではないけど、これは気になる!
読了日:12月25日 著者:ラグナル ヨナソン
ラモックス (ザ・スタービースト) (創元SF文庫)の感想
【再読】クリスマスプレゼント用の本にと思い何十年ぶりかで再読。ラモックスが可愛かった事以外はすっかり忘れており、もっとジョンとラモックスの二人がドタバタするものかと思ってたら、中盤以降は政治や外交といったものがメインに描かれており新鮮な気持ちで読めましたが、宙務省常任次官のキク氏が自身の信念をもって毅然とした態度で事態に臨むところが何よりの読みどころ。また、ジョン側とラモックス側とで視点が違うと考え方も違うものの、二人の友情には変わりはないところがいいんですよね。ハインラインの思想的なものが薄めなのもw
読了日:12月21日 著者:ロバート・A・ハインライン
日曜の午後はミステリ作家とお茶を (創元推理文庫)の感想
【再読】本書を課題書にした読書会に向けて再読。再読でもやはり面白い!何よりも楽しいのが謎が解明されたり事件が解決した後に、主人公のシャンクスに日常が戻ってくる様が描かれているところ。そこでちょっとスパイスが効いたようなユーモアあふれる会話などがとにかく楽しく、毎回笑って幸せな気分に浸れます。
読了日:12月16日 著者:ロバート・ロプレスティ
遠の眠りのの感想
福井にかつて実在した百貨店(だるま屋)にあったという「少女歌劇団」をモチーフにした物語。大正後期から戦後直後までを主人公の絵子を通じ、閉鎖的で抑圧的な考えに捉われている田舎を舞台に描かれたのは、現代でも同じような考え方に固執し、押し付けようとする世界がそこかしこに残っている事への哀しみと、それを打ち破る事はできるとの希望なのでしょうか。読んでて自身が知らぬうちに縛られている物がある事に気付いて苦しくなると同時に、絵子が心のうちにぼんやり描く幻影が形になる未来を思い、ラスト1ページは目頭が熱くなりました。
読了日:12月14日 著者:谷崎 由依
生きるか死ぬかの町長選挙 (創元推理文庫)の感想
<ワニ町シリーズ>3作目。町長選に立候補したアイダ・ベルが対立候補が殺害された事件の容疑者に。フォーチュンは彼女の嫌疑を晴らすべくガーディと共に奮闘するのですが、フォーチュンを始めとするシンフルの町の住民が活躍する場面はユーモアたっぷりで描かれ思わず声に出して笑う事もしばしば。有能なCIA工作員のはずが、何かと運の悪いフォーチュンの姿も可笑しいけれど、保安官助手のカーター相手に顔を赤くする場面は可愛いかったりもします。二人の間に流れる「友達」としての想いが今後どう描かれるのかも含めて楽しみ!
読了日:12月13日 著者:ジャナ・デリオン
チャイルド・ファインダー 雪の少女 (創元推理文庫)の感想
3年前に雪山でいなくなった5歳の少女の捜索依頼を受けたのは、チャイルドファインダーと呼ばれる行方不明者の捜索を専門にするナオミ。少女が行方不明になって3年の月日は絶望的だけど、少女を捜す事に一片の躊躇いも見せず邁進するナオミ自身もかつては行方不明となった少女の一人という過去を持っています。美しい雪の情景とは真逆の残忍な行いには胸が苦しくなりますが、時折交るユーモアある描写とナオミが何故ファインダーであるのかを明らかにしてくれるジェロームの存在が救いとなり、最後は清々しささえも。続編も是非読ませて欲しい!
読了日:12月09日 著者:レネ・デンフェルド
トリック (新潮クレスト・ブックス)の感想
両親が離婚する事になったマックスは、父親が持っていた古いレコードに吹き込まれている愛の魔法を信じ、老マジシャンのザバティーニに助けを求めます。しかし探し当てた相手はいけすかないエロ老人。でも、そんな彼はナチス政権下のドイツで奇術師として愛と栄光を得るもユダヤ人である事が発覚し、なんとかホロコーストを生き残った過去が。過去の魔法が現代に蘇る時、それは奇跡として涙を誘う、ユーモアと愛が溢れた物語で、「生きていることが、それだけでもう、ひとつの祈りなんだ」との言葉と、最後に許しを得る場面が強く印象に残りました。
読了日:12月04日 著者:エマヌエル ベルクマン
読書メーター
12月は「このミス」発売に合わせてランクインしそうだけど積読になってる本を読もうと思っていました。
しかしながら結局読まないまま(笑)。
でもいいのです。
ランキング見るのは楽しいけれど、自分が読みたいと思った時がその本を読むタイミングなのです^^