2019年11月の読書メーター、まとめ。 | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

11月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2699
ナイス数:303

だいじな本のみつけ方 (光文社文庫)だいじな本のみつけ方 (光文社文庫)感想
発売前の大好きな作家の新作を見つけた野々香が、その持ち主を探し始める中で繋がっていく人との縁と広がる世界。本を題材にした物語はそれだけで本好きなら無条件で愛おしく思えるもの。初々しい中学生が本によって世界が広がり、そして本と関わって生きたいと願うようになるのは必然で微笑ましい。現実でも本が繋げてくれる出会いがあって世界が広がる事は大人になってもあります。そして本が好きだと無条件で言い合える仲間が身近にいる事は幸せだなとしみじみ思ったりもしました。
読了日:11月25日 著者:大崎 梢
つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)感想
「月船町」のつむじ風が吹く十字路の角にぽつんと灯をともす食堂。そこに集う人たちの姿を「先生」と呼ばれる主人公の目を通して描かれているのですが、そこはどこか異世界のようにも感じる不思議で優しい空気が流れています。ちょっと哲学的だったり、人生の教訓めいたやり取りもあるのですが、思わず「ふふ」と笑ってしまうような描写も。また、主人公のマジシャンだったという父が繋いだ時の流れには思わず目の奥も熱くなり、いつしか何故か懐かしさを感じる月船町の住人になりたいような気分に。またいつかつむじ風を感じに訪れたい。
読了日:11月24日 著者:吉田 篤弘
ロボット・イン・ザ・スクール (小学館文庫)ロボット・イン・ザ・スクール (小学館文庫)感想
シリーズ3作目。タングが帰ってきてくれて嬉しい!タイトル通りタングが学校に通う事になるのだけれど、学校内での話がメインになるのかと思いきや意外な展開が待っています。感情を持つ二人のロボット。感情や想いは決して自分の思い通りにならず、タングやボニーに責められてしまうベンの心を思うと胸が痛むけれど、真摯に向き合うしか解決はしないし、解決しなくとも前に進むことは出来ないのかも。哀しく寂しい別れもあって思わず涙ぐんでしまうけど、別れもあれば出会いもあり、それが光となってくれる事を祈ると同時に更なる続編を期待です!
読了日:11月23日 著者:デボラ インストール
タスキメシ 箱根タスキメシ 箱根感想
「タスキメシ」の続編。駅伝が、そしてその中でも箱根は目標にする者達にとってどれだけ特別なものなのかが熱く伝わってくる一冊。もう熱すぎて胸が苦しくなって目頭も熱くなって読んでて大変でした(笑)。怪我に苦しみ箱根も走れなかった早馬の「努力は人を裏切るよ」という言葉はとても刺さります。でもそこには嘘偽りなく優しくも厳しい未来へ繋ぐ希望があったからこそ、早馬が作る料理のように千早の、そしてチームの仲間たちの心に沁み、その想いが次代に繋がれていく様子に、とにかく中盤以降は何度も涙しそうになりました。
読了日:11月14日 著者:額賀 澪
ホープは突然現れる (角川文庫)ホープは突然現れる (角川文庫)感想
16歳の頃より誰からも記憶されない体質となったホープ。著者の作品では何度も人生を繰り返したり、他人に乗り移ったりする主人公を描いてきましたが、本作は最も孤独な主人公と言えるでしょう。過去も未来も無く今を生きるしかないホープ。彼女が願うのは普通の人生だけれど他人から見ると誰よりも何よりも自由である存在という矛盾がまた切ない。ホープが自分自身を保つために膨大な量の知識を蓄えて言葉にするその姿もまた痛々しくもあります。友人と呼べそうな存在を失った時にホープが得た真理とはいったい何だったのでしょうか。
読了日:11月13日 著者:クレア・ノース
サイコセラピスト (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)サイコセラピスト (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
6年前に夫の顔面に銃弾を撃ち込んだ画家のアリシアは事件以降一切言葉を発していない。そのアリシアを救おうと心理療法士のセオはアリシアが収容されている施設に就職し首尾よく担当する事に。セオが妻の事を愛している事。そしてアリシアが夫の事を愛していた事が何よりもこの物語の鍵。そしてセオの目線と地中で挿入されるアリシアの日記との構成が巧く、読んでる途中でモヤモヤする不快感も物語に引き摺り込まれる要因。その正体が見えてきた時に、ああ、そういう事かと嘆息する事に。最後はどういった形であれ救われたのかも知れないですね。
読了日:11月03日 著者:アレックス マイクリーディーズ
11月に去りし者 (ハーパーBOOKS)11月に去りし者 (ハーパーBOOKS)感想
ケネディ暗殺に自分が関わっていた事、そして口封じの為に狙われる事を悟ったギドリーは逃亡を図る。組織が送った殺し屋から逃れる為に、途中で知り合った女性シャーロットとその娘達を隠れ蓑に西へと向かうクライムロードノヴェル。逃亡中、いつしかシャーロットに惹かれるギドリーもいいんですが、実は何より強く魅力的なのはシャーロットだった事に読者は気付かされます。ハッピーエンドは望めないのがこの手の物語だけど、それでも願いながら終盤はドキドキ。ギドリーを追う殺し屋も、ギドリーが頼ろうとするボスも魅力的。11月中に読むべし!
読了日:11月02日 著者:ルー バーニー

読書メーター

 

 

ふらふらと遊び歩いているようで、そうは見えないかも知れませんがちょいバタバタしてたせいもあってか、11月、読了したのは7冊とちょっとペースダウン。

 

しかし読めたものはどれも良かった。

 

特にルー・バーニーの『11月に去りし者』は大好物でした(笑)。