『訣別』 マイクル・コナリー | 固ゆで卵で行こう!

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 マイクル・コナリー 「訣別(上)」 (講談社文庫)

 マイクル・コナリー 「訣別(下)」 (講談社文庫)

 

ハリー・ボッシュはロス市警時代の旧知の知人が本部長に誘われ、サンフェルナンド市警察にて無給の嘱託刑事として勤務していた。

一方で改めて取得し直していた私立探偵免許により、私立探偵として個人的な仕事も行っていたが、そんなボッシュの元に大企業のオーナーである富豪、ホイットニー・ヴァンスから相続人捜しの依頼が舞い込む。

 

 

 

サンフェルナンド市警で無給の嘱託職員としてバッジをつけるボッシュは、連続強姦魔〈網戸切り事件〉の捜査を進める傍ら、私立探偵として老い先短い大富豪の相続人捜しを行います。

 

果たしてその二つは交わりを見せるのか。

 

ボッシュの相棒となる女性刑事ベラ・ルルデスとの関係も良好ながら、ボッシュの事を疎んでいる刑事の存在など署内での立ち位置が気になる中、やってはいけない私立探偵の仕事を署内で行った事が、またボッシュを窮地に追い込むんじゃないかとヒヤヒヤさせられながら事態は大きく動いていきます。

 

〈網戸切り事件〉はボッシュが軽蔑するような刑事、そして敵対する刑事の存在は、ボッシュが動き続ける上で更なるガソリンとなるようだけど、読者もそのガソリンでもって一緒に燃えさせられながら辿り着く終着点は思いもよらぬものを見せられたりと、とにかく翻弄されつつ興奮させられました。

 

この、読者が抱いていた人物像が一転する様子もまたコナリーの巧さを感じさせますね。

 

一方で相続人捜しの方はリンカーン弁護士の協力を得て進むのですが、こちらの見せ方もやはり巧くて〈網戸切り事件〉と並行して目が離せない展開を見せます。

 

二つが交わるかどうかは別として、ボッシュが相続人捜しにも手を離せない事が〈網戸切り事件〉においてボッシュが自分を許す事が出来ないようなミスに繋がるなるなど、特に、後半の流れるように見せる展開の巧さに身を委ねながら、読み終えてしまうのが勿体無くて思わず本を閉じ、一日置いて最後まで一気に読了しました。

 

歳をとってもボッシュはまだまだ枯れてない!

 

そう改めて感じさせてくれましたが、ボッシュがボッシュたる使命感がその胸に刻まれている様子も燃えました。

 

そしてその使命感はボッシュを今後も動かし続けてくれる事が分かり、更なるシリーズの展開に期待です。