かつて採薬使の役目に就いていた阿部将翁だが、何者かが採薬使を次々と拐かさる事件が相次いでいるため幕府の監視下に置かれていた。
余命幾ばくも無い事を悟った阿部将翁は、晦まし屋に晦ましてもらう事にするのだが、幕府は阿部将翁を幽閉する事に・・・。
〈くらまし屋稼業〉シリーズ3作目。
かつて採薬使として幕府に仕えていた阿部将翁は、余命少ない事を悟り、ある約束を叶える為に晦まし屋に幕府の監視下から自身を晦ましてもらう事に。
阿部将翁からの依頼を受けた平九朗たちは彼を監視する幕府側と、採薬使を狙う謎の集団〈虚〉との三つ巴の戦いに身を投じる事になります。
その戦いの場面は緊迫感溢れる様子で描かれており。
平九朗が敵と一騎打ちする場面はまさに息を飲むほど。
その中で、ようやく平九朗がなぜ晦まし屋となったのかといった過去の一旦も明かされて、シリーズはますます面白さを増してきました。
前作からの登場の瀬兵衛が今後どのように関わってくるのか、そして序章にのみ登場した清五郎という男の存在も気になりますね。
夏の戻り船 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)