9月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2203
ナイス数:250
吸血鬼ハンター34 D-死情都市 (朝日文庫)の感想
〈吸血鬼ハンター〉シリーズ34作目。前半、物語に勢いがあってこれは久々に傑作になるのかもとの予感がしたんですが、後半は失速。神祖の実験体との対決や神祖の作った謎の球体の目的など、設定が面白かっただけに、いろいろ投げっぱなしで結局なんだったのか何も分からず著者に煙に巻かれたかのよう。「夜市」をモデルにしたという本作だけに、「夜市」に紛れ込んで幻を見たかのよう・・・という感じを読者が受けれるようにとの著者の思惑だったなら凄いかも(笑)。
読了日:09月27日 著者:菊地 秀行
賢者の怖れ 5 (ハヤカワ文庫FT)の感想
ここに来て世界がより広がってきました。盗賊の集団との戦いでは後に語られるような英雄的な姿を見せたかと思うと、美しき妖精フェルリアンとのあんなことやこんなことを(笑)。そこで経験した事はクォートをより伝説的な人物へと育てる事になる一因となったのでしょう。更にテンピの元で修業しつつアデム人の世界へと赴いていく訳ですが、そこでクォートは何を見るのでしょうか・・・。
読了日:09月24日 著者:パトリック ロスファス
数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)の感想
「1000までの数字のうちどれか一つを思い浮かべろ」思い浮かべた数字を当てられるという謎や、消えた足跡の謎など、特に前半は古典的ともいえるような本格ミステリの匂いが何よりも惹きつけてくれます。主人公は早期退職をした元刑事のガーニー。オブザーバーとして捜査に関わる事になる、ガーニーその人の事も丁寧に描写されている点も好感が持てます。また、犯人に関しては途中で分かってしまいましたし、トリックに関してもなるほどと言った感じでしたが、長さをそれほど感じさせず楽しませてくれ、次作以降も楽しみにしたくなりました。
読了日:09月21日 著者:ジョン・ヴァードン
花だより みをつくし料理帖 特別巻の感想
シリーズ完結後の後日談。つる屋に関わった人たちのその後姿が知れて、どの物語もほっこりします。種市を始めとしたつる屋の面々と清右衛門と坂村堂の賑やかな様子。小松原と乙緒の二人の不器用な夫婦ぶり。野江と又次の出会いと絆。そして澪と源斉が新たな試練から二人で立ち直っていく様子。それぞれの情景を噛みしめるように読んでいましたが、ラストで澪が駆け出す姿には思わず涙腺崩壊。これで本当にこのシリーズも終わりで寂しいですが、またいつか大切に読み返したいです。
読了日:09月09日 著者:髙田郁
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
かつて「火喰鳥」と呼ばれた江戸随一の火消しであった松永源吾。浪人暮しの彼に壊滅した藩の火消し再建を依頼が。火への恐怖から現場には出ない事を条件に引き受けた源吾を含め、火消し再建の中で集まる個性的なメンバーの再生の物語であり、火に立ち向かう冒険小説でありミステリーでもある時代劇。とても熱い男たちの物語で、その勢いに一気に読ませます。このシリーズ、追いかけないと勿体ないかも!
読了日:09月08日 著者:今村 翔吾
賢者の怖れ 4 (ハヤカワ文庫FT)の感想
大公の信任を得て宮廷劇が続くのかと思いきや、デナと喧嘩したまま、なんと傭兵を率いて盗賊退治への旅に。クセのある傭兵たちの中でアデム人のテンピと友情めいたものを育んでいく様子がいいですね。しかし、この巻はえらく尻切れとんぼなところで終わってしまいましたが、次巻でどのような展開を見せるのか楽しみです。
読了日:09月01日 著者:パトリック ロスファス
読書メーター
9月は6冊。
むむ、シリーズ物ばかり。
でも、シリーズ物は溜めてしまうと読む気が失せるのでしっかり読んで行く事も必要です(笑)。
そんな中でシリーズ1作目となる作品が2つ。
今村翔吾の「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」は、文字通り熱い物語でこれは追いかけたいシリーズとなりますね。
そしてジョン・ヴァードンの「数字を一つ思い浮かべろ」は日本の本格ミステリ的な雰囲気もあって、こちらも今後が期待です。
さて、10月。
また台風が発生して週末が心配ですが、読書の秋ですし読むペースを上げていきたいもんです。