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ゴルゴダの丘でイエスを刺した〝ロンギヌスの槍〟
その槍を手にした者は世界を手にする事が。
そしてその槍に対抗するのは、”無名兵士の槍”。
これは実はイエスはもう片方からも刺されていたとする、著者の創作設定で、その二つの槍から大きく飛躍する物語となっています。
その“ロンギヌスの槍”を巡る戦い、それは<新宿>そのものが決着をつける意思を見せ始めます。
そんな中でせつらが鈴香にかけた言葉が印象的で、その言葉をもう一度言ってもらいたいと望む鈴香が、最初に登場した時の印象よりも純な感じなのが意外で良かったです。
また、槍に捉われたラジアが時折せつらを想って正気に戻ったのも切ないところですね。
しかしせつらがメフィストに受けた特訓て何だったんでしょう。
それに「私」の登場もちょっと唐突感は否めず、結末も菊池さんらしくバタバタと一気に畳み掛けられ、結局何だったのかといったところも残念。
以前のように“せつら”の怖さを感じさせながらも陶然とさせられるような描写が欲しいですね。
