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ヒポクラテスの憂鬱
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埼玉県警のホームページに“コレクター(修正者)”と名乗る謎の人物から、事件性はないとして処理された事件について、被害者となった死因に疑問を呈する書き込みが。
そこには関係者しか知りえない情報が含まれていたことから、捜査一課の刑事・古手川は浦和医大法医学教室に協力を依頼する。
偏屈だが世界的権威でもある老教授・光崎藤次郎と新米助教の栂野真琴は、司法解剖を行い、そこに思いもよらぬものを発見する。
『ヒポクラテスの誓い』に続くシリーズ二作目。
光先教授の舌鋒もメスさばきは勿論健在ですが、法医学の道に進んだ真琴が法医学に対する自覚や覚悟を見せはじめる様子が何より印象的でした。
また、真琴も県警の小手川も相手の事を認めるうちに芽生え始める感情とそれに伴う様子も微笑ましかったですね。
物語は〈コレクター〉と名乗る人物が、解剖されなかった死体の裏に事件性があると示唆する言葉に翻弄されるように、真琴たちは解剖に明け暮れる事になりますが、〈コレクター〉が誰かというのは早々に察する事ができます。
もっともその動機については最後になって明かされるのですが、その動機はなんとも・・・。
けれども、日本での司法解剖について、法医学や財政についての限界などの問題点を提示しつつ、あくまでエンタメ性を損なわず描く様子は、著者らしいなと納得させられますね。
さて、なんだか似たもの同士になって暴走コンビとなりそうな真琴の成長と、小手川の仲も気になりますし、シリーズ3作目も期待したいところです。
