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レオ、フェリックス、ヴィンセントの三人の兄弟は暴力により家庭を崩壊させた父親から独立し、一見地味道に暮らしているかのように見せていたが、密かに軍の倉庫か大量の銃器を入手し、史上例のない銀行強盗計画を立てていた。
暴力の傍で育った兄弟。
そして暴力の傍で育ったとおぼしき刑事。
暴力は直接振われた者はその影響を受けるのはもちろん、間接的でもその影響を受けてしまうことを人は忘れがちです。
だからこそ暴力の連鎖を止める必要があるのでしょう。
さて、強盗を働く兄弟たちの絆は、強盗を続けていく中でどのように描かれていくのか。
そして追うブロンクス刑事の執念は何から生み出されているのか。
ヒリヒリと伝わる緊張感の中で描かれていた強い絆で結ばれていた兄弟たち。
しかし、司令塔であるレオの姿に弟たちは父の姿を重ねて兄弟の関係が変化していきます。
暴力による支配を受けていた兄弟たち。
そんな暴力を支配し、そしてコントロールする事によって、史上稀に見るような強盗事件を成功させてきたレオたち。
しかし、その暴力をコントロールしきれなくなってきた時に、チームと兄弟の絆は崩れていきます。
それでもレオたちの計画が最後までうまくいけばいいのにと思いながらも、レオたちを追う刑事の執念も実が結べばいいいと、二つの感情で揺れながら読む進むことになりました。
更にはかつて家庭を崩壊させたレオたち兄弟の父親の感情にも共感させられて、最初から最後まで色んな感情で複雑に揺れ動かされた物語でした。
その中で個人的に印象に残ったのは、レオたち強盗団に襲われた人たちが受けた身体的、そして精神的な後遺症。
スマートともいえる強盗だとしても、そこにはやはり人として超えてはいけない一線があり、だからこそ兄弟を追う刑事のような存在は必要なんですよね。
ところで、この物語は事実に基づいたものという事で、読了後に巻末の解説を読んで更に驚愕を受けたという私のような読者も多いでしょうねぇ。

