『その雪と血を』 ジョー・ネスボ | 固ゆで卵で行こう!

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その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1912) その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1912)
ジョー・ネスボ 鈴木 恵

早川書房 2016-10-06
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麻薬業者のボスの元で殺し屋として働くオーラヴ・ヨハンセンは、不貞を働いているらしいボスの妻を始末するよう、ボスから依頼を受ける。

果たしてそのボスの妻コリナを始末しようとするオーラブだったが・・・。





始末屋のオーラヴが自身が仕える麻薬業者のボスの依頼で、そのボスの妻コリナを殺す事に。


しかしオーラヴはいざ仕事を果たそうとする瞬間、そのコリナに一目惚れしてしまい、コリナを助けるために転がっていくオーラヴの運命が描かれています。


そこにはオーラブの不器用で真っ直ぐ過ぎる、純真ともいえる生き方の裏にある、オーラヴが生きてきた虚実な世界があり、それがクリスマスを迎える白い雪の世界で、切なく美しく、そしてやるせない虚無感に包まれる結末に繋がっていきます。


その結末は雪のように淡く現実と虚実が広がることにより、なんとも言えない、胸の中でざわついたような読後感にしばし浸りました。