2016年9月の読書メーター、まとめ。 | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3247ページ
ナイス数:276ナイス

魔界都市ブルース 〈新宿〉怪造記 (ノンノベル) 魔界都市ブルース 〈新宿〉怪造記 (ノンノベル)感想
今回、せつらの相手となるのは〈新宿〉を改造し支配せんとする区外の大企業。しかし所詮は区外の企業。なので魔界都市の相手になるはずもありません。しかしながらせつらが苦戦したりメフィストも裏をかかれたりするような場面が微妙な印象を与えてくれます。「私」が登場し、ぞくぞくさせてくれるような部分もありますが、せつらが“新宿”そのものであるという美しくも恐ろしい様子が見たかったところです。
読了日:9月26日 著者:菊地秀行
転落の街(下) (講談社文庫) 転落の街(下) (講談社文庫)感想
物語も中盤を過ぎると前半のゆったりした空気から一転、緊張感が高まります。それは事件が真実に近づき、その裏にあるものを気付かされるからだけではなく、その脇で描かれるハンナとのロマンス、相棒のチューとの関係、それにキズとの繋がりに出来た錆など、個々のエピソードがスリリングであるからでしょう。そんな中でマディとのやり取りは優しさに溢れていて物語に緩急を与えているのがいいですね。そして何よりボッシュはやはりボッシュであったという事が、ボッシュ自身が認識するかのように描かれている様にとても熱くなるものがありました。
読了日:9月22日 著者:マイクル・コナリー
転落の街(上) (講談社文庫) 転落の街(上) (講談社文庫)感想
<ハリー・ボッシュ>シリーズ最新作。未解決事件とかつての宿敵ともいえるアーヴィングの息子の転落死を追うことになるボッシュ。定年延長選択制度により二度目の延長申請を行ったボッシュが抱いている使命感は決して薄れておらず、それぞれの事件の手掛かりから真実へと少しずつ、しかし確実に近づいていく様子が描かれて・・・下巻へ!
読了日:9月22日 著者:マイクル・コナリー
ハーメルンの誘拐魔 ハーメルンの誘拐魔感想
犬養隼人シリーズ3作目。主人公の犬養についてもようやく人間としての肉付けがされてきた印象。しかし残念ながら相棒となる明日香に関しては表面的なものしか描かれていないので、この辺は今後描いていくのでしょうか。事件そのものは早々に真相は分かってしまい、ミステリとしての面白味はいまひとつ。それでも子宮頸癌ワクチンの副反応をテーマに、業界や行政の利権や責任について問題提起しながら先へ先へと読ませる辺りは著者らしくうまいですね。
読了日:9月19日 著者:中山七里
七色の毒 (単行本) 七色の毒 (単行本)感想
『切り裂きジャックの告白』の犬養刑事を主人公にした、七つの色をタイトルにもたせた7つの事件が収められた短編集。特に前半は実際にあった事件などをモデルにしており、それをこういう風に料理するのかと感心すると共に、特に「白い原稿」に関してはモデルとなった人が読みながら脳裏から離れませんでしたね。事件の真相にはそれぞれ“毒”があるけれど、その全てが単なる毒ではなく、犯人にとっては薬でもあったんだなという印象を与えるように描かれていて良かったです。
読了日:9月18日 著者:中山七里
切り裂きジャックの告白 切り裂きジャックの告白感想
以前ドラマ化されたものを観ていたので内容は分かっていたけれど、原作の方は脳死や臓器移植についての問題提起などが、より事件や物語に没頭させるように描かれていて最後まで楽しむことができました。そして最後のシーンは胸を打ちますね。こういう場面がさらりと入っているので物語も締まり、読了後も印象に残りのが中山氏の作品の特徴の一つかも知れませんね。
読了日:9月18日 著者:中山七里
夏に凍える舟 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 夏に凍える舟 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
<エーランド島>四部作の完結編。あたらしい国に渡り、帰ってきた男が計画している事とは。そしてイェルロフは事件にどう向き合うのか。帰ってきた男の過去を知れば知るほど、いつしか応援してしまう事に。エーランド島の夏は眩しいぐらいに輝いてるように映るけど、それでも北欧だからか、著者が相変わらず美しく描写するからか、どこか凛と冷たい印象を受けながら読みました。心身ともに傷ついたイェルロフが最後に決断した事は読み始めた時から予感はあったものの、イェルロフに吹いた風にとても救われた気持ちになりました。
読了日:9月16日 著者:ヨハンテオリン,JohanTheorin
マシュマロ・ナイン マシュマロ・ナイン感想
相撲部員が野球部に?!そして甲子園を目指す?!あり得ない設定ながらも読んでて楽しいスポーツ小説と思いきや、終盤はミステリ要素もあり、更にはマシュマロ・ナインで活躍した部員のその後も分かるエピローグまで、最後の最後まで楽しませてくれました。ドーピング疑惑で球界を追われた小尾を野球部監督に据えた校長の思惑がいまひとつ分かりにくかったのと、小尾の娘の茜の活躍ももうちょっと見たいところでしたが、ピンチに四股を踏む場面など、コミカルな場面が多いながらも熱い物語は爽快感も得れて良かったです。
読了日:9月15日 著者:横関大
タスキメシ タスキメシ感想
諦める勇気があれば続ける恐怖も乗り越えられるんだ。都と出会って料理を学んだ事は早馬にとって未来に繋がるもので、その想いは襷のように友人やライバル、弟たちを通じて繋がっていくものなのでしょう。誰しも何かしらの痛みを感じた事があり、それを自覚した事ある人には胸に刺さる場面があります。それだけに羨望や嫉妬、自分自身を欺くように本当の思いを胸の奥に押し込んできたものを解放させてくれたものが、複雑なようで単純な男同士の友情という場面に胸が熱くなり、不覚にも目頭が熱くなるのを感じてしまいました。
読了日:9月13日 著者:額賀澪
松本城、起つ 松本城、起つ感想
一風変わったタイムリープもの。何度も何度も繰り返し、松本城を傾けたという一向一揆の魂の叫び声を救うために、巾上の意識は跳ぶのだけれど、もともとは自身が元の世界に戻るためというの何より共感が持てました。しかしながら繰り返し経験する事によって、巾上の意識はそれ以上のものを望む熱となります。マーカーとなったものの絶望を希望と変えるものは果たして本当に心の底から願った想いがあるからでしょうか。二十六夜神となった千曲をはじめ、巾上が江戸時代に出会う人々との交わり方がもう少し深く描かれていると、より楽しめたでしょう。
読了日:9月5日 著者:六冬和生

読書メーター


9月も10冊(9作品)読めました。


その中での収穫は、やはりマイクル・コナリーの〈ハリー・ボッシュ〉シリーズの新作『転落の街』ですね。

来年の春にはまたボッシュに会えそうという事で嬉しい限り。


また、ヨハン・テオリンの〈エーランド島〉四部作完結編となる『夏に凍える舟』も印象深いです。


国内作品では横関大の『マシュマロ・ナイン』がとても楽しく読めましたね~。



さて、10月。


まずはジョン・ハートの『終わりなき道』をはじめ、積読本をメインに読書の秋を堪能したいところですが、今日も含めて休日出勤が多く決まってるのと出張もあるので、どこまで読めるでしょうか・・・。