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視える女 (小学館文庫)
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行方不明となっている少女を捜すために、霊能力者レイサムの協力を得る事にしたマーヴェル刑事だが、芳しい結果は得る事は出来なかったものの、少女を捜す捜査を諦める事は無かった。
そんなある夜、列車に飛び込もうとする様子の女性をマーヴェルは助けるのだが、その女性アンの息子も行方不明となっており、アンも息子を捜すために霊能力者の元を訪れていた。
行方不明の少女と少年の事件を主軸に、霊能力者レイサムと行方不明となっている少年の母親アンが見せるものは一体何を指しているのか気になりながら物語は進みます。
果たしてこの物語はミステリなのかオカルトなのか。
どちらの成分が大きいのか分からないので、なんとなくざわざわとした居心地悪いものを感じながら読むことに。
そんな中で、事件を捜査するマーヴェル刑事が行方不明の少女を捜す様子は真摯なものだけに、やたら傲慢な態度を見せていても憎めないキャラクターとして描かれており、そんな彼が未来と過去の輪が閉じたような感覚に襲われる場面が印象的。
そして最後は著者の作品らしく、決してスッキリとはしないところも不思議と心地よいものでしたね。
ところで本書の主人公であるマーヴェル刑事は著者の『ダークサイド』にも出演しており、本書はその前日譚としての位置づけもあります。
『ダークサイド』ではマーヴェル刑事があんなにいけ好かない感じだったけれども、本書ではどこか愛すべきキャラクターとして描かれているのも面白かったです。
