『白球アフロ』 朝倉宏景 | 固ゆで卵で行こう!

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白球アフロ (講談社文庫) 白球アフロ (講談社文庫)
朝倉 宏景

講談社 2016-07-15
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弱小高校野球部に、アメリカからのアフリカ系の父を持つアフロ頭の転校生クリスが入部してくる。

守備は超高校級ながら、大振りのホームラン狙いでバントに関しては無視するクリスに、世話役を押しつけられた恭一は「送りバント」を理解させようとするのだが・・・。




序盤はライトな感じの青春小説といった趣きです。


都立等々力高校の甲子園には程遠い弱小野球部に、アメリカからアフリカ系の父を持つ転校生クリスが入部し、その文化の違いをコメディタッチで描いています。


しかし中盤に入り、主人公がその転校生クリスが抱えていた重みを知った事や、なぜ野球を続けているのかといった自問自答するあたりから、グッと物語に厚みが増してきました。


序盤の軽い感じからは一転し、戦争や平和。

本当の意味での友情など、いろいろと考えさせられます。


そして終盤の野球の試合の場面の盛り上がりと共に、青春時代には意味や先の事なんて分からなくても、その一瞬を夢中になれるものがあり、それを共有できる仲間がいる事が何にも代え難い宝物なんだなと、ちょっと熱くて爽やかな読み心地を得ることができました。


また、そういう仲間がいるという事を認識できることって幸せなことなんでしょうね。


しかしながら、青春時代にはそれが自分では分からないままでいる事が現実かも。


それでも、あとから振り返った時に、そう思える人生を歩めれば、それはきっと幸せな人生になるのではないでしょうか。