『邂逅 (シドニー州都警察殺人捜査課)』 キャンディス・フォックス | 固ゆで卵で行こう!

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邂逅 (シドニー州都警察殺人捜査課) (創元推理文庫) 邂逅 (シドニー州都警察殺人捜査課) (創元推理文庫)
キャンディス・フォックス 冨田 ひろみ

東京創元社 2016-06-13
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シドニーのマリーナで、全身傷だらけの少女の遺体が収められたスチール製の収納ボックスが海底より発見される。

さらにその周囲からは、同様の遺体の入ったボックスが次々と見つかる。

シドニー州都警察殺人捜査課に異動してきた刑事フランクは、相棒となる女性刑事エデンと事件を追ううちにおぞましい真実に突き当たる。





これは自己中心的な人生を送ってきた主人公フランクが、人間らしさを取り戻す物語・・・。


そうなって欲しいと願いながら読み進めたのですが、事件の結末とその結果はフランクにとって一体何をもたらしたのでしょうか?!


フランクとその相棒である女性刑事エデンのこの先の刑事としての人生はどうなるのかが非常に気になる結末でした。



正直、最初はバツ2である主人公の刑事フランクの言動にはいまひとつ感情移入出来ませんでした。


しかし、相棒となる女性刑事エデンが抱えるミステリアスな雰囲気と、少しずつ語られる彼女の抱える秘密が事件の行方と物語を引っ張ってくれました。



エデンとその兄であるエリックの過去。

それが明らかになっていく中で、大量殺人事件の真実も明かされ、そのおぞましさ、嫌悪感はフランクの刑事としての怒りと正義感を駆り立てるのですが、それがこの物語の胆だったのでしょう。



人は、単なる正義感を超えるものを心の中に芽生えさせた時にいったいどうなってしまうのか。


この先のフランクとエデンの運命を見守りたいものです