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コリーニ事件
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新米弁護士のライネンはドイツでも有数な事業家を殺害した男の国選弁護人を買って出る。
しかし、動機を一切語ろうとしない被疑者。
更に殺害された被害者は、少年時代に可愛がってもらった記憶のあるライネンの親友時代の祖父であった事が判明し、ライネンは弁護人を辞退しようとする。
無駄なく、淡々と物語は進み、その平坦な語り口のせいか、読み始めてしばらくは夢中になるほどではなかったです。
しかしながら、被疑者はどうして殺人を犯さなければならなかったのかという動機の謎。
それに、主人公の新米弁護士ライネンが、公職と私情の狭間で揺れ動く様子で物語が引っ張られ、裁判が進みいよいよ崖っぷちとなった時にライネンが事件の真相について閃いた後は最後まで一気でした。
ライネンが弁護士となった矜持。
それが核となっていて、また、その事について改めて自身が決意するような場面が静かに描かれ、冷めたような文章でありながらも、事件の背景にあった事実の衝撃もあって、そこに熱さを感じる事ができました。
それにしても凶器となった拳銃を見て主人公の新米弁護士ライネンが、事件の真実についてピンと閃く点については作中で何故なのか言及されていないので分かりにくいですね。
もっとも言及されていたとしても、その凶器はたまたまそれだっただけの可能性もあるので、やはりその部分は弱く感じるんですが、実際にはどうなんでしょうね。
