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透明人間は204号室の夢を見る
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地味で目立たないコミュニケーション能力に欠ける実緒。
そんな美緒は高校時代に書いた小説でデビューを果たして上京したものの、新たに小説を書くことも出来ずに人と接しないで済むようなバイトで生活する毎日。
そんな実緒はある日、書店の本棚にある自分の本を手に取った男性の後をつけ、その後男性のマンションのポストに掌編を投函するようになる。
妄想で自身を透明人間として、ある男性の部屋へと訪問する実緒。
それはまるで恋しているかのようであるけれど実際には違っています。
購入はしなかったものの、自書を手に取ってくれた男性の事を調べ、いつしかその男性とその恋人と会うようになっていくのですが、妄想を繰り返し、自身の書いた掌編を投函し続ける実緒のその姿はとても痛々しくて共感などできなさそうでした。
しかしながら読み進めるうちに、これまで孤独に生き、人と接する事を避けてきた実緒の心の中は、妄想を繰り返すうちに意識が“外へ”と向かい始め、その中で彼女の痛みを一緒に感じるうちに、いつの間にか激しく共感してしまう不思議な感覚を覚えました。
苦しくも切ない結末を迎えたかと思えたところで、実緒が今回の事で経験し感じてきた事。
それは実緒にとってこの先の糧となりそうなラストに繋がり、最初に読み始めた時の印象と正反対に清々しかったです。
