『ツーリストの帰還』 オレン・スタインハウアー | 固ゆで卵で行こう!

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刑務所から釈放された元ツーリストのミロ・ウィーバーは、かつての職場に復帰した。

しかし、ミロの能力以上に職場への忠誠心を疑う上層部は、復帰の為のテストをミロに科す。

ミロはそのテストをクリアしていくのだが、そんなミロに彼の娘と同じ年頃の移民の娘を殺害せよという指令が下る。





『ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ』の続編(過去記事は→ )。


ツーリストとして復帰する為のテストをこなしていくミロに示された新たな指令は、自分の娘と同じ年頃の娘を理由も分らぬまま殺害せよという、ミロにとって承服できかねるもの。


前作を忘れかけていた事もあって序盤は若干とっつきにくいものがあったものの、ミロを翻弄するかのように事態が動いていく様子に次第にのめり込んで読み進めました。


ミロに、そしてツーリストそのものに迫る危険の中で、真実は果たして一体何なのか。


そしてツーリストとして生きてきたミロが願う、普通の家庭を築くという事ができるのか。


幾重にもヴェールがかかっているような、見えそうで見えない真実が見えた時、ミロに起こる事態はまさに作中でツーリストの真理が書かれているという〈ブラック・ブック〉に記したような物事の理。


その〈ブラック・ブック〉の内容を、序盤から作中に散りばめられていると、ツーリストが向き合う事になる現実が、よりアイロニーを感じれて良かったかなと思います。


しかし、作中でミロが翻弄されたように、読者である自分も読みながら翻弄されたエスピオナージで、更なる続編も期待大です。