2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4387ページ
ナイス数:287ナイス
ピルグリム―かたゆでマック〈7〉 (ソノラマ文庫)
の感想
<かたゆでマック>シリーズ7作目の再読。シリーズ完結編はこれまでとはボリュームが少ないのが残念。けれどもその分テンポがいいですね。セザールとの最後の対決で、マリアを前にして想うマックの心は世界を、そしてマリアやセザールさえも救います。ピューティアーが待っていたのがどうして“マック”であたのかももう少し強く描いてくれるとマックが格好良く見えたんでしょうが、あくまで三枚目であるからこそお約束を読者は最後まで楽しめるんでしょうね。
読了日:11月28日 著者:藤原征矢
007 白紙委任状 下 (文春文庫)
の感想
後半に入り色々と展開し、ディーヴァーらしくツイストも見せてくれ、また、アクションシーンもあって見せどころがてんこ盛りで楽しませてくれました。ジェームズ・ボンドらしく食のシーンもしっかり見せるのが007のファンには嬉しいかな。しかしそれでも何か違うと思ってしまうのも否めない。それは最初から最後まで基本的にスマートなジェームズ・ボンド象であった事かも。もっと痛々しいような場面があった方がより雰囲気が出たかもと、その辺がちょっと残念かな。
読了日:11月27日 著者:ジェフリーディーヴァー
007 白紙委任状 上 (文春文庫)
の感想
ディーヴァーが描く「007」という事で期待を大きくして読み始めました。イアン・フレミングの原作の方と映画のジェームズ・ボンドをミックスしたような現代的なジェームズ・ボンドに仕上がっているようですね。冒頭から例の音楽を脳内で流しながら読みだせばワクワクが止まりません。しかし、読み進むうちに違和感も覚えますね。とりあえず後半でどうなるかを楽しみにします!
読了日:11月26日 著者:ジェフリーディーヴァー
星の牢獄(プラネット・ダンジョン)―かたゆでマック〈6〉 (ソノラマ文庫)
の感想
〈かたゆでマック〉シリーズ6作目の再読。またもエージェンシーの悪辣(?)な依頼を受けて一人の少女の救出に向かったマックを待ち受けるものは、まさに星の牢獄の中の不思議な力を持つ少女。もはや宿敵ともいうべき宇宙を牛耳る組織ファイブスターズそのもの。そして太古の恐るべき力。今回はハードボイルド的な部分もコメディ的な部分も抑え目で冒険SFといった趣きでしょうか。それでも最後はお約束なドタバタ劇が安心させてくれますね。
読了日:11月22日 著者:藤原征矢
カウントダウン・シティ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
の感想
『地上最後の刑事』三部作の第二作目。前作が地球滅亡前という設定ではあるけれど実際の内容はオーソドックス、それも古き良き時代的な探偵小説のような趣きがメインであったのに対し、本作ではディストピアに向けて混沌とする世界がより描かれる事によってSF的な側面も強くなっているのが特徴。そんな中で主人公はある女性の依頼を受けて失踪した旦那を捜すその様子はやはりオーソドックスなもの。けれどもただ一人の妹との関係を通じながら、世界が滅亡に向かう中で何の為にか自分でも答えを出せないまま行動を移す姿がなんとも印象的でした。
読了日:11月20日 著者:ベン・H.ウィンタース
判決破棄 リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)
の感想
法廷での場面がメインのハラー。法廷の外での働きがメインのボッシュ。静と動といった趣きだが、法廷内でも動き続けないと裁判の行方を制御できないという事で、やはり動と動といったところ。なので読者は裁判の行方とボッシュが見付けてくるものに絶えず緊迫感を得て最後まで一気読み。基本的に鍵となるものを見付けてくるのがボッシュでそれを料理するのがハラーで、思いがけない結末もあってハラーの印象が若干弱く感じるかも。しかし、通路の反対側に立った事で受ける負担に対して語るハラーの言葉に男として、人としての成長を感じます。
読了日:11月18日 著者:マイクル・コナリー
判決破棄 リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)
の感想
弁護士であるミッキー・ハラーが今回は検察官として法廷に立つ事に。そのハラーをサポートするのがボッシュ。という事で、今回は二人の視点で交互に語られていくってなると、コナリーを追いかけているファンにはたまりませんな(笑)。二つの視点で描かれる事によって、テンポよく物語が進む中で被告人であるジェサップが取る行動に不安を掻き立てられて進むと、予想違わず上巻のラストで・・・!
読了日:11月18日 著者:マイクル・コナリー
ブルー・ムーン (ソノラマ文庫―かたゆでマック)
の感想
再読、〈かたゆでマック〉シリーズ5作目。セイレーンが出てきてマックがドタバタとさせられるパターンは安定して楽しいですね。しかしながら今回は宿敵と思われていたファイブスターズのセザールからの依頼を受ける事になるという意外な展開に。そして訪れた星で恐るべき、そして切なすぎる真実が待っていて、シリーズのこれまでの作品の中で最もシリアスな内容だったかも。それでも最後は笑って終われるのが救いですね。
読了日:11月15日 著者:藤原征矢
窓際のスパイ (ハヤカワ文庫NV)
の感想
序盤は各登場人物の紹介にあてられているせいもあって退屈。しかし、中盤で物語が動き出すと共に、その退屈であった部分があったからこそ“窓際のスパイ”たちが血と肉をもって動き出す為、徐々に加速していく物語をより楽しめるようになっています。決して派手な展開は見せないものの、読者を惹きつけて離さないように場面をいくつも展開させて見せるのもうまいですね。二作目はCWAゴールドダガー賞も受賞されている事で邦訳が待ち遠しい限りです。
読了日:11月15日 著者:ミック・ヘロン
ラットレーサー・ブルース (ソノラマ文庫―かたゆでマック)
の感想
再読、〈かたゆでマック〉シリーズ4作目。今回はマックにも格好いい姿が用意されているのが嬉しい。天才的なパイロットである片鱗も見せてくれるし、マックとかつての相棒との過去などベタではあるけれどハードボイルドな様子も素敵。そしてそのハードボイルドとのギャップの差が激しく描かれるだけにギャグ的要素も楽しいですね。
読了日:11月10日 著者:藤原征矢
狼がいっぱい (ソノラマ文庫―かたゆでマック)
の感想
〈かたゆでマック〉シリーズ三作目も再読です。主人公のマックの三枚目ぶりが板について、というかつき過ぎて優秀さが見えなくなっているのが残念なところでしょうか(笑)。しかしお約束的な三枚目ハードボイルドSFとして安定の面白さ。更なる美少女の登場と新たな敵の登場って事で、今後のシリーズを見据えた展開も見せます。
読了日:11月8日 著者:藤原征矢
時計仕掛けの恋人 (ヴィレッジブックス)
の感想
ある事件を境に行方知らずとなり20年、かつての恋人が主人公の前に現れて助けを求めてきます。彼女の助けに応じた主人公は再び事件に巻き込まれる事になる様子が現在進行形と過去の事件のパートとで交互に語られていくのですが、いまひとつスマートに描かれていないようで若干緊迫感に欠けます。かつての恋人がもっと魅力的で蠱惑的に描かれていると、より主人公が置かれていく状況に説得力も増したんじゃないでしょうか。しかしプロットはなかなか面白いですし、いつまでも鮮やかな過去に囚われる想いというのは読者の心にも残るかも知れません。
読了日:11月8日 著者:ピーター・スワンソン
サラの柔らかな香車 (集英社文庫)
の感想
将棋の世界に現れた金髪碧眼のコミュニケーション能力に欠けた少女を中心にした三人の女性棋士の物語。将棋の世界の厳しい現実は才能という言葉で本当に片付けられてしまうのかどうかは分からないですが、盤上で繰り広げられる小さな世界は、サラの打つ手によって可能性や未来、そして希望を見せてくれます。終盤、サラと女流名人の塔子の対局シーンでは思わず背中がぞくぞくとしました。また、小学生の頃に矢倉や穴熊など覚えて将棋を楽しんだ記憶が蘇りました。続編も出ているとの事で続きも楽しみです。
読了日:11月2日 著者:橋本長道
読書メーター
11月は13冊読了。
はじめましての作家さんに昔のラノベ(ラノベという言葉がまだ無い頃の)の再読。
そして待ちに待ったシリーズの続編など、なかなかバラエティに富んだ内容でしょうか(笑)。
その中で印象に残ったのはやはりマイクル・コナリーの『判決破棄』。
ラストが物足りないと言う方もいらっしゃるようですが、自分は余韻が残って良かったなと思います。
もっともミッキー・ハラーよりもハリー・ボッシュの方が最終的にインパクトを残しているのは若干どうかなとも思わないでもなかったですが(笑)。
さ、師走です。
積読本をいかに減らせて2014年を終えれますでしょうか(;´▽`A``