『赤く微笑む春』 ヨハン・テオリン | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

赤く微笑む春 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 赤く微笑む春 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ヨハン・テオリン Johan Theorin 三角 和代

早川書房 2013-04-10
売り上げランキング : 141045

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


難病を患い入院している娘を持つペール・メルネルは、エーランド島の石切場のそばに息子と共に暮らす事にする。

そんなペールの元に疎遠にしていた父から連絡が入り、渋々ながら父の元に向かうと何者かに刺されて傷を負った父の姿が。

そして直後に父の別荘は全焼し、死体が発見される。




エーランド島シリーズ三作目。


今回もまたエーランド島で幻想的な雰囲気を漂わせたミステリで、トロールやエルフが実在していると信じている人がいるからこそ起こった愚かしくもあり、切なくもある出来事が一つのポイントとなって、前二作同様に現在と過去を交錯させて物語を回転させます。


しかしながら、エルフとトロールの仕業だと信じていた事柄はやはり人間の仕業であって、そこに人間の業の深さや哀しみが感じられます。


過去の事柄と現在が交互に描かれていく中で、イェルロフ元船長が真実のかけらを見付けた時、未来へと仄かに照らすような光を感じれるような余韻が残るラストは美しくさえもありました。


次作でシリーズは完結との事ですが、自分の身に起こるであろうことを達観し始めた老齢のイェルロフ爺さんが何より心配で読むのが怖いところですが、完結編が紹介されるのを待ちたいと思います。