『真夜中の相棒』 テリー・ホワイト | 固ゆで卵で行こう!

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真夜中の相棒〈新装版〉 (文春文庫) 真夜中の相棒〈新装版〉 (文春文庫)
テリー ホワイト Teri White

文藝春秋 2014-04-10
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ベトナム戦争でマックはジョニーという青年と知り合い、なぜか一緒に行動する事に。

ベトナムから帰ってからも二人は共に行動するのだが、借金を返せなくなり裏社会で殺し屋となる事を余儀なくされる。

一方、相棒を殺された刑事のサイモンは、相棒を殺した犯人を執拗に追いかけはじめていた。




ジョニーはアイスクリームを愛し、マックをひたすら敬愛し傍から離れようとしない、どこか欠落したものを抱える美青年。

そんなジョニーをマックはどうしても捨てきる事が出来ず、いつしかマック自身はジョニーに依存しているといった関係。


一方の刑事のサイモンは、相棒を殺された復讐をしようとマックとジョニーを追いかけるのですが、その様子は妄執的で狂気を孕んでおり、家庭も顧みずに二人を追い詰めた時に、サイモンは相棒を殺したはずのジョニーという存在を違った意味で追い求めてしまいます。


予想通り結末は苦いもの。

それは、切なくも儚く、そして妄執と狂気が痛みを覚えさせつつも、そこにある純粋な愛がよりラストの余韻に長く浸らせてくれました。


誰もが何かを、そして誰かを必要とするからこそ、マックもジョニーも、サイモンも愛おしい存在として見えて、だからこそ切ない物語なのでしょう。