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モンスター (幻冬舎文庫)
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幼い頃からその容姿から蔑まれモンスターとまで言われた和子は、ある事件を起こして町を出る。
その後、整形する事によって自分自身が生まれ変われる事を知った和子は、風俗の世界に身を投じ大金をかけて整形を行い、見違えるような美しい顔に生まれ変わった和子は、名前も変えて故郷に戻りレストランを開く。
全ては初恋の男への情念によって・・・。
主人公が自身の努力によって美しさを手に入れていく様子に救われた気持ちになりながら読み進めました。
もっとも全面的に主人公に感情移入できないように描かれているのも、そして彼女を「モンスター」扱いしてきた周囲にも感情移入できないように描かれているのも現実的な部分なのかなと思いました。
主人公が崎村を素直に受け入れる事が出来たらまた別の結末が待っていたかも知れませんが、彼女はそれでも幸せを一瞬といえども手に入れたんだと信じたいですね。
そして本当の「モンスター」とはを考えさせるエピローグも悪くなかったです。
ところで整形によって内面から自身を持つってのはやはり分かりますね。
整形じゃなくても、髪型一つ変えるだけで明るい気分になれたりもしますし、そういった意味で整形ってのもありなのかなって思ったりもしました。
