『ヘッドハンターズ』 ジョー・ネスボ | 固ゆで卵で行こう!

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ヘッドハンターズ (講談社文庫) ヘッドハンターズ (講談社文庫)
ジョー・ネスボ 北澤 和彦

講談社 2013-10-16
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優秀なヘッドハンターであるロジャー・ブラウンは美しい妻の為に豪邸を買い、妻には画廊を経営させているのだが、その生活を維持する為に仕事で知りえた情報を元に裏では絵画の窃盗を行っていた。

そんなロジャーの前にこれ以上はないという対象者が現れるのだが。




いやはや実に面白いサスペンスでした。


自身が抱えているトラウマもあって、美しい妻との生活を維持する為に仕事上で知りえた情報から協力者と共に絵画を盗んでは売り払うという裏の顔を持つ、その世界では名うてのヘッドハンターであるロジャーの前に現れたのはヘッドハンターとしても、そして絵画を窃盗する対象として最高の男性が現れます。


勇んで計画を進めるロジャーですが、事態は思いがけない方向へ転がります。


ロジャーの妻の浮気疑惑から始まり、裏の仕事での相棒の死。

そして自身に迫る命の危機。


予想だにしなかった窮地に陥る様は、スリリングでありながらブラックなユーモアにも包まれています。


そしてその窮地から脱する為に、まさに死に物狂いで戦いに身を投じるロジャーの姿はクライムノヴェルとしてもじゅうにぶんに楽しませてくれるのですが、それだけで終わらず最後の最後にもどんでん返しが待っていて、しっかりと著者が仕掛けた罠に嵌ってしまったと気付いた時も「してやられた」と思いつつも、それが気持ち良かったのはディーヴァーの作品を読み始めた頃を思い起こさせました。


クライム・サスペンスとしてもミステリーとしても楽しめる一作でした。