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ロスト・シンボル(下) (角川文庫)
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恩師でありフリーメイソンの最高幹部でもある歴史学者のピーター・ソロモンから代理による講演をするようラングドンは頼まれる。
急な話でとまどうラングドンだが、ワシントンの連邦議会議事堂の〈ロマンダ>へと向かう。
しかし、そこで待ち受けていたのはピーター・ソロモンの切断された右手首だった。
『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』に続く〈ラングドン教授>シリーズ三作目です。
今回のテーマとなるものはフリーメイソン。
アメリカ建国時の隠された真実とフリーメイソンが人類の為に守ってきた秘密。
それに向かってラングドンは奔走する事になるのですが、序盤はこれまでのシリーズ同様に謎が謎を呼ぶように、読者もグイグイと作中に引き込まれていくことでしょう。
しかしながら中盤からこれまでと趣が違う事に気づかされ、そのままラストを迎えてしまうのが残念。
今回は事件に巻き込まれたラングドンは、象徴学者でありながらというか、学者であるがゆえに象徴が表しているものはあくまでも思想や信念、信仰といたものを表していると信じてきたことが根底から揺るがされる事に気づかされるのですが、それに至るまでの過程はピーターを助けるために必至に行動しようとはするものの、基本的に事態に流されるままであって、肝心の謎もラングドンの知識や機転だけで解明するのではなく、ほとんどが誰かに教示されたり示唆されたりとあって、読んでいて謎を解いていくというカタルシスが得れなかったのが、いまひとつ盛り上がりに欠けた原因かなと思います。
もっとも、キリスト教やアメリカの歴史についてある程度の知識があると、読みながら受ける印象は違うでしょうし、より楽しめるのかなとは思います。
実際になんだかんだ言いながらも、一気に最後まで読ませるリーダビリティはさすがといったところですねぇ。


