『特捜部Q ―Pからのメッセージ― 』 ユッシ・エーズラ・オールスン | 固ゆで卵で行こう!

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特捜部Q ―Pからのメッセージ― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 特捜部Q ―Pからのメッセージ― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ユッシ・エーズラ・オールスン 福原 美穂子

早川書房 2012-06-08
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未解決事件専門を扱う特捜部Qに届けられたのは助けを求めるメッセージが入ったボトルメール。

書き手の名前の頭文字はPで、手紙の内容の判読は難航するが、カール・マーク警部補は誘拐されたらしいPを探すべく過去の記録を調査するのだが。




「特捜部Q」シリーズ第三弾です。


とにかく先へ先へと読ませる展開はシリーズ屈指の出来ではないでしょうか。

誘拐されたらしいP。

過去に誘拐事件やそれに類したものがなかったか調べる特捜部Qのカール・マーク警部補。

そしてそのアシスタントであり謎多きアサド。

さらに同じアシスタントであるローセも変人である謎を抱えていて、それぞれが個性的でそれぞれのエピソードがどこかコミカルでありつつストーリーに華を添えます。


実際に事件そのものは陰惨で救いが無いかのよう。

その中でカールやアサドたちのコミカルな様子が暗くなりがちな物語を明るくさせてくれて、そういった意味でもボリュームある本書でありながら一気によませる勢いを持たせてくれてますね。


カールが特捜部を任される事になるきっかけとなった事件の謎や、アサドの秘密なども徐々に明らかにされようとしているところもシリーズを読み進む上で楽しみなところ。


シリーズ四作目も待ち遠しいです。