『ゴーストライター』 ロバート・ハリス | 固ゆで卵で行こう!

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ゴーストライター (講談社文庫) ゴーストライター (講談社文庫)
ロバート・ハリス 熊谷 千寿

講談社 2009-09-15
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前英首相アダム・ラングの自叙伝を書いていた前任者が突然亡くなった為に「私」にその仕事が回ってきた。

孤島に移り、アダムと会話するうちにその人となりに魅力を感じる「私」だが、前任者が書いていた原稿のひどさには辟易し、最初から書き換えるつもりで取材を進めるうちに、前任者の死に不審な点がある事を知る。




主人公の「私」はプロのゴーストライター。

そんな「私」の元に華かな見た目と言動で人気があったものの、イラク戦争を機にその人気を失った前英首相アダム・ラングの自伝代筆という仕事が舞い込んできます。


もともとは元首相の側近であったマイケル・マカラが代筆していたのだけれど、水死体で発見されたマカラはフェリーからの転落事故か本を書く重圧により身を投げ自殺したと思われています。


様々な守秘義務にサインし、アメリカ東海岸にある沖島マーサズ・ヴィニヤード島へ渡った「私」はアダムと面会を果たしいろいろと話を聞くうちにアダムその人に魅了されるのを感じます。


けれでも前任者であるマカラが残していた原稿を読むと全く面白みがなく、全面的に書き換える必要があると察します。

時間の制約がある中で「私」は原稿を仕上げようと取材を続ける中で、前任者の死に不審なものがあると気付きます。


果たして前任者の死の真相は。

「私」は強迫観念に駆られたのか、それとも被害妄想に駆られたかのように真実を求め始めるのですが、ちょうどアダムが政敵から戦争犯罪人として起訴されようとしている事が、より前任者の死に疑惑をもつ強い理由を伴う事に。


アダムに対して強い影響力を見せる妻のルス。

そしてアダムの個人秘書でいつも付き従い、その仲が疑われるアメリア。


二人の強い女性の存在もまた物語に緊張感を与える中で、いよいよ「私」は恐ろしい真実へと向かって走り出すことに。


自分の事を「ゴースト」だとジョークを放つ「私」がゴーストライターとして、いかに相手と同化して情報を得るかなどをうまく描いている前半部分も面白く、疑惑をもった後の焦燥感や不信感なども緊迫感があって一気に読み切りました。


やがて真実に辿り着いたと思ったところで思いがけない出来事が主人公の目の前で起こります。

そしてそれゆえに「私」は素晴らしい作品を仕上げる事が出来るのですが、そこからもう一ひねりあるところは若干予想はついたものの、その後に記されたゴーストライターであった「私」の真実の言葉が胸に迫ります。


しかし、主人公が手掛かりを得るのにGoogle活用し過ぎですね(笑)。

ちょっと安易にネットで情報が手に入りすぎな気がしますが、その辺は愛嬌って事で。



ちなみに本書はユアン・マクレガー主演で映画化され、少し前にDVDにもなってますね。

近いうちに借りてきて観ようと思います。




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