『冬の灯台が語るとき』 ヨハン・テリオン | 固ゆで卵で行こう!

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スウェーデンのエーランド島の双子の灯台を望むウナギ岬の屋敷にストックホルムから移り住んできたヨアキムとその妻、そして二人の子供の家族。

屋敷のリフォームに精を出す夫婦だが、ある悲劇が起こり・・・。




『黄昏に眠る秋』に続くエーランド島を舞台にしたシリーズ二作目です。

シリーズではありますが、前作を読んでいなくとも楽しめます(もちろん前作を読んでいるとより楽しめます)。


都会からエーランド島に引っ越してきたヨアキムとその家族。

新たな生活を始めようとした矢先に悲劇が家族に訪れます。


その悲劇があってからクリスマスに向かって、冬の物悲しく寂しげで、それでいて美しい情景と相まって徐々に幽霊怪奇譚のような雰囲気が強まっていく様子が物語の緊張感も次第に強めていきます。


これって本当にミステリなのか、ホラーなのか。

時折挿入される過去の物語がますますこの物語に混迷した印象を読者に与えつつ、ウナギ岬の屋敷に移り住んだヨアキムを軸に、ヨアキムの妻のカトリンの母とその手記、屋敷荒らしの三人、エーランド島に新たに赴任してきた女性警官らの物語交えながら迎えるラスト。

死者が蘇ると言われるクリスマスに訪れた猛吹雪の中で、ウナギ岬の屋敷を訪れるのは過去からの亡霊なのか、それとも・・・。


最後の最後で、現在と過去に起こったある悲劇を解き明かすのは前作にも登場した、おじいちゃん探偵イェルロフ。

謎は解明されても物悲しさ、やるせなさと言ったものはやはり消えず、むしろ逆に強まるむきもあります。

けれども後味は決して悪くありません。

それはヨアキムと子供たちが、現実を受け止めつつ前に進もうとする様子が見えるからなのでしょう。



さて、エーランド島を舞台にしたこのシリーズ、次は春編ですね。

邦訳が楽しみに待たれます。




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