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殺人者の顔 (創元推理文庫)
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クルト・ヴァランダー刑事は真冬の早朝、暑よりの電話で起こされる。
電話を受け向かった現場では、老人が無残な姿で殺されており、その妻である老女も虫の息だった。
やがでその老女も「外国の」と言い残し死亡。
スウェーデンの片田舎で誰が老夫婦を殺したのか。
ヴァランダーは捜査員を指揮し、必死の捜査を続けるのだが。
スウェーデン警察小説である〈クルト・ヴァランダー〉シリーズの一作目です。
このシリーズ、常に年末の各種ランキングでランクインしている事もあって、いつか読んでみようと思ってました。
主人公のクルト・ヴァランダーは妻に逃げられ、娘とは疎遠になり、また一人暮らしする父との仲も良好ではないという、肥満気味のくたびれた中年刑事。
時代の変化を、そして私生活での変化を受け入らざる得ない状態で、さらに怒りっぽくもあり、やることなすこと裏目に出たりと、格好悪いことこのうえない。
けれどもその格好悪い様子は、本人が真剣であるだけにコミカルにも見えるけれども何故か愛しく見えてくるのが不思議。
事件そのものは、じわりじわりと捜査が根気よく進められていく過程を、主人公の私生活や同僚、かつての友などとの様子を交えて描かれており、物悲しいラストも北欧の暗く湿った雰囲気とよく合っていました。
とりあえずこのシリーズ一作目を読んだ限りでは強烈に惹かれるものはないものの、格好良くはないものの愛すべきキャラクターに見えた主人公のこの先も知りたくなりました。
二作目以降もボチボチと読んでいきたいと思います。
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