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夜を希う (創元推理文庫)
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フランクは亡き父の友人エズラから「デヴィンが戻ってくる」という連絡を受け、故郷であるウイスコンシン州のザ・ウィロー(氾濫湖)へと車を走らせる。
父を裏切った男を殺すために。
主人公は作家志望のフランク・テンプル三世。
父から武術を徹底的に教え込まれた青年。
しかし父はFBI捜査官という身でありながらある犯罪に手を染めていて、友人でマフィアのボスであるデヴィンが裏切った事から自ら死を選択するまでに追いやられたとFBI捜査官のグレイディから教えられています。
同じく父の友人であるエズラと共にデヴィンがザ・ウィローに戻ってこずにフロリダにいたままなら放っておく事を決めていたのだが、デヴィンが戻ってくるというなら話は別。
フランクはデヴィンを殺すために故郷に向かう事になるのですが、まずは序盤からグイと物語の中に惹きつけられます。
フランクの持つ雰囲気や、これから何かが始まりそうだという雰囲気が、その描写から緊張感をもって伝えられ、そのまま一気に物語は走り始めます。
その走り始めた物語を加速させるが主人公であるフランクが屈折しながらも持ち続けた純真さでしょうか。
犯罪者であった父の真の姿を知っても愛する事は変わらず、父の教えを守ろうとするその姿は、冷徹でいながら熱いものを持つ男として、どこか青臭さをもって描かれています。
そしてその純真さゆえに物語そのものも青臭くもあるような結末を迎えます。
けれども、その青臭さが心地よい読後感を与えてくれるのです。
アクションシーンも読み応えあり、また主人公と自動車工場のボスとして働く女性とのロマンス部分もいいアクセントになっており、ちょっと古風な香り漂うハードボイルド風なサスペンスでした。
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