『黄昏に眠る秋』 ヨハン・テオリン | 固ゆで卵で行こう!

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黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ヨハン テオリン Johan Theorin

早川書房 2011-04-08
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スウェーデンの霧深いエーランド島で一人の少年が姿を消した。

二十数年後の秋、消えた少年の祖父イェルロフの元に少年の履いていた靴が送られてくる。

故郷を離れて暮らしていた少年の母親ユリアは、急遽帰郷し疎遠だった父との距離にとまどいながらも息子の行方を追い始める。





夏だけ観光客で賑わうというスウェーデンの霧深いエーランド島を舞台にしたミステリです。


霧の石灰岩平原で起きた少年の失踪事件という悲劇。

その悲劇が年を経て明らかになる真実はより悲劇的で、スウェーデンの東に位置する小さなエーランド島の情景描写に人間ドラマは濃厚ながらも、霧が晴れていくラストは仄かに暖かみも感じられて、事件そのものは悲劇でしかないのだけれど読後感は意外に悪くなかったです。


それは少年を失ったことでバラバラになった家族の絆が、少年の靴が戻ってきたことから徐々にではあるものの父と娘の間に通い合うものが再生し、息子を失い自分自身をも失くしていた母親も、故郷に帰って過去に向き合うことで自分自身を取り戻していく様子が丁寧に描かれていたからでしょう。


本書はスウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞、英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞し、エーランド島を舞台としたシリーズは今後も展開されていっているそうで、今後も楽しみです。




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