『沈黙の森』 C.J.ボックス | 固ゆで卵で行こう!

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沈黙の森 (講談社文庫) 沈黙の森 (講談社文庫)
シー.J・ボックス 野口 百合子

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ワイオミング州の新米猟区管理官ジョー・ピケットは娘と自宅の裏庭にて男の死体を発見する。

それはジョーがかつて密猟で摘発しようとして、逆に銃を奪おうとした事のある男だった。





主人公は新米の猟区管理官のジョー・ピケット。

就職面接の日を勘違いしてすっぽかしたり、許可証無しで釣りをしていた男を新知事と知らずに検挙してしまったりする、傍から見ればドジな猟区管理官。


挙句に違反切符を切ろうとした密猟者に銃を奪われるという失態を犯してしまった事も。

だが、その相手が自宅の裏庭で死体となって発見され事件が動き出します。


キャンプ上では更に二人の死体と犯人と思しき男を発見。

銃撃戦の末に容疑者は意識不明となり、事件は一件落着になったと見えたが、ジョーはどこか腑に落ちないものを感じ独自に調査を始めます。


そんなジョーの前には恩師である前任の猟区管理官ヴァーン・ダネガンが現れ、大企業の開発計画の為に雇われないかという誘いを投げ掛けてきたり、ジョーの調査を妨害しようとする動きが見え隠れするように。


果たしてジョーが事件の核心に迫ってきた時、ジョーの愛する家族(身重の妻と二人の娘)に危険が迫り、ジョーは感情を爆発させるかのように行動に移るのですが、ジョーの義憤と家族を守るために戦う姿には思わず胸の底から熱いものを感じてしまうでしょう。


個人の発言は流通貨幣のようなものと考え、言葉を浪費したり無駄に使う事を厭い、自分が言いたい事を適切に表現する為に長い間黙ってしまうせいで、かつての失態も加わり周りからは間抜けのように見える事はあっても、愛する妻からは「貴重な生き残り」と呼ばれる男の強さと優しさに酔いたい一作で、ジョーが家族を守ろうと戦う一方で、長女のシェリダンもある家族を守ろうと一人戦う様子も印象深く描かれていました。



ところで本作はシリーズ一作目で、久しぶりに再読しました。

あらためて読み返すと著者の傑作サスペンスである『ブルー・ヘブン 』に通じるものがやはりありますね。

〈ジョー・ピケット〉シリーズは現在四作紹介されていますが、二作目以降読んでいなかったのでこれを機会に読んでいこうと思います。





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