『もう誘拐なんてしない』 東川篤哉 | 固ゆで卵で行こう!

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もう誘拐なんてしない (文春文庫) もう誘拐なんてしない (文春文庫)
東川 篤哉

文藝春秋 2010-07-09
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大学の夏休み、福岡県の門司で先輩の手伝いでタコ焼き屋台のバイトをしていた樽井翔太郎は何者かに追われているセーラー服の美少女を助ける。

ヤクザから追われているという彼女は、実は花園組というヤクザの組長の娘、花園絵里香だった。





翔太郎が助けたヤクザの組長の娘、花園絵里香の彼女の腹違いの妹の手術費用を捻出する為に狂言誘拐をする事になるというユーモアミステリで、最初から最後まで笑わせてくれました。


とにかくヤクザ側も、翔太郎と翔太郎が頼る先輩の甲本や絵里香たちも、それぞれの会話がまるで漫才をしてるかのようにギャグ満載な軽妙なやり取りでテンポよく読ませてくれます。


もちろんミステリとしての楽しみもしっかり味あわせてくれます。

舞台が下関という事を活かしきった身代金の受け渡しや、その裏で行われているある事への大きな理由づけも「なるほどね」と思わせるものでした。


もっとも、恋愛的要素は皆無に近く、青春ミステリという程のものではなかった事や、偽札事件や殺人の容疑を掛けられる翔太郎など、いろんな部分で投げっぱなしな部分が目についた事が残念。

そういった部分も含めて、狂言誘拐の行方のその後も描いてくれればより満足感のいく作品になったかなと思います。







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