|
オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV )
中原 裕子 早川書房 2009-10-30 売り上げランキング : 14244 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
死者の霊が見えるオッド・トーマスの前に、骨形成不全症をわずらい、四肢が変形し、骨がもろくなっている親友のダニーの養父である医師の霊が現れた。
霊に導かれて医師の家に行ったオッドは、医師の死体を発見し、ダニーがいなくなっている事を知る。
果たしてダニーは誘拐されたのか、家の中を調べるダニーは何者かに襲われる。
死者の霊が見える青年<オッド・トーマス>シリーズ二作目です。
ショッピングモールの銃乱射事件において、被害を最小限に抑えたとして英雄扱いされるも、オッドにとって最も大切な魂を失い、心に負った傷がまだ癒えていないオッドに、骨形成不全症をわずらっている親友ダニーが何者かに誘拐されるという事件が起こります。
なぜダニーは誘拐されたのか?
親友を自身の霊感を頼りに追うオッドの前に現れるのは、オッド自身を狙う悪魔のような女ダチュラ。
果たしてダチュラの狙いとは?
正直に言うと前作ほどの面白さは感じないです。
これは基本的にストーリー自体が一本で、オッドを狙うダチュラというキャラクターのあくの強さで引っ張っている為、ダチュラが退場した後にどのような付加価値を残りのキャラクターにつけるのかが興味深いところでしたが、その辺に関してはスルーという事で拍子抜け。
けれどもオッドという純粋でストイックなまでのキャラクターによって物語自体が救われているのかも知れません。
そしてオッド自身の優しさに、周りの人間もとても人間味溢れていて物語自体を優しい雰囲気にさせてくれる部分があえるのでしょう。
特に物を言えない霊たちの中で、オッドの前にいつも現れるエルビス・プレスリーの哀しみは、オッドの哀しみと合わせて読者に哀切感を強く与えるのですが、それと同時に優しさも強く感じさせて大きな余韻を残してくれるものでした。
↑霊が見えるってどんな気持ちになるんだろと思った方はポチッとな↑
